定期預金と積立預金の違いとは?どちらがおすすめかも解説
LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部です。
定期預金と積立預金とでは、どちらのほうがお金が貯まって使いやすいのか知りたいと思ったことはありませんか。
実はこの2つに優劣はなく、むしろお金の預け入れ方や引き出し方により、向き不向きが分かれるのです。
本記事でそれぞれの特徴や違いを知っていただき、両者の違いをもとに自分に合った使いやすい預金方法を見つけてみてください。
定期預金と積立預金どちら良いのか?違いを解説
常にどちらかが優れているということはなく、特徴に応じた使い方で自分にとって適しているのかが変わります。
ここでは、お金の預け入れ方・お金の引き出し方・金利に関する両者の違いを見ていきましょう。
お金の預け入れ方
例えば、定期預金は毎月コツコツ3万円ずつを3年間預金していくようなイメージで、積立預金は一括で300万円を預け入れて3年間動かさずに預金し続けるようなイメージです。
定期預金 | ・一度にまとまったお金を預け入れる ・当面は動かさないお金がある場合など |
積立預金 | ・無理のない額を毎月預け入れる ・手元にまとまったお金がない場合など |
定期預金は、収入が安定した世代や共働きで家全体の収入が高い場合で、かつ当面は使う予定のないまとまったお金があるものの、リスク商品を避けたいような方が選択すべきでしょう。
それは、普通預金よりお得な方が良いもののリスクのある金融商品の元本割れの不安や抵抗感があって踏み込めない方にでも、特にリスクもなく放置しておける定期預金が安心だからです。
一方で積立預金は、まだお若いご夫婦や就職や転職後間もないなど、収入が低く安定せず大きな貯蓄が難しい時期に選択すべきです。
積立預金なら毎月余裕を持った金額を貯めながら、ボーナス時期や生活費からの余剰分がある程度まとまったら、いつもより高額を入金するという自由さがあるので、収入がまだ不安定な時期には安心だからです。
お金の引き出し方
定期預金は一旦入金したらそのまま預け続けるイメージで、積立預金は希望に応じて引き出せるイメージです。
定期預金 | ・満期までは引き出せず、満期日に利息を含めた額を受け取る ・原則引き出せないので無駄遣いが抑えられる |
積立預金 | ・引き出しに制限がないものが多く自由度が高い ・いつでも引き出せる安心感、出金時期で金利の影響が変わる場合も |
積立預金を使う上での理想としては、給与の受け取りや公共料金の支払い、クレジットカード利用料などを引き落とすのは普通預金を使い、お金を貯めるための専用口座として積立預金口座を使うというものです。
お金を貯蓄用の積立預金口座に入れてしまえば、その後で貯蓄用の口座からは簡単に引き出しづらくなり確実にお金が貯まっていくため、そのように使うと良いでしょう。
金利の違い
簡単に言えば、金利が高いのが定期預金で金利が安いのが積立預金です。
満期まで運用資金が減らないことは運用する金融機関にとっては好都合なので、お金を引き出せない定期預金は預金者の不自由さの代償の意味合いでも、金利が高く設定されています。
定期預金 | ・固定金利で金利は高め ・金利は入出金に制限があるため高めに設定されている |
積立預金 | ・固定金利で金利は低め、途中出金しても金利が変動しないものも ・一定金額に達すると金利が上がる場合もある ・金利は入出金が自由であるため低めに設定される |
定期預金が向いている方の特徴
定期預金に向いている方は、手元の資金にある程度の余裕があって定期預金に預け入れたお金に頼らずとも生活が成り立つ方です。
まとまったお金が定期預金口座にあって、何年も引き出せないとしても特に困ることはないなら、普通預金口座よりも金利が高い定期預金のほうが良いでしょう。
資金に余裕がある方
定期預金は、毎月すこしずつの入金ではなく、最初にまとまったお金を預け入れてそのままおいておくという方法です。
入出金がないため金利は高めなのですが、より多額の預金ができればさらにたくさんの利子が期待できるため、資金に余裕があり長期預け入れていても構わないような方におすすめします。
昨今では、国内外の外貨や外国株を絡めた商品など多くの金融商品を買うことができますが、それらにあまり興味がなくまた為替や変動リスクによって元本が目減りするのだけは避けたい方には、定期預金が適しているでしょう。
元本割れのリスクをなくして運用したい方
元本割れがない(元本保証)のは実は積立預金も同じなのですが、定期預金は預け入れたお金は原則として解約しないと引き出せません。
さらに、解約して引き出す場合には当初約定していた金利よりも大きく下がってしまうことから、途中解約する確率は格段に下がります。
元本保証制度に加えて、この解約を抑止する心理的な作用があることを考慮すれば、積立預金よりも元本が減ってしまう確率は低いといえそうです。
ですから、引き出させない強制力がある仕組みのほうが自分に合っているなら、定期預金を利用するほうが良いでしょう。
ちなみに、定期預金と積立預金のどちらもが預金保険制度によって元本が保証されていますので、株や仮想通貨などの他の金融商品とは異なり安心です。
預金保険制度とは、預金を預け入れている金融機関が破綻しても、一人につき一つの金融期間までは1,000万円と利息分の範囲内が保護の対象になる制度です。
そして、預金保険機構が預金保険制度にあるペイオフの仕組みによって万一の場合が起きても資金が回収できます。
途中解約の予定がない方
定期預金は、原則満期まで解約ができない金融商品ですが、解約する必要も予定もない方にとっては制約にもマイナスポイントにもなりません。
そのため、途中解約の可能性が低く満期まで安定した収入やその他の蓄えでやりくりできる方におすすめです。
まとまったお金を預けていても元本割れがなく、預金保険制度によって1金融機関1,000万円までは破綻リスクを回避できるのも安心材料になります。
株のような他の金融商品をお持ちなら、特に手続き不要で数日後に現金化できて定期預金を解約することがないので、換金がしやすく流動性の高い資産を別にお持ちの方にとっても定期預金が良いでしょう。
積立預金が向いている人の特徴
積立預金が向いている方とは、毎月コツコツと積み上げていく貯蓄の喜びも感じたい方です。
元本が保証される安全性と、万一の急な出費にも柔軟に対応できる安心感や使い勝手に魅力を感じる方なら、積立預金向きだといえます。
資金に余裕はないがコツコツ積立をしたい方
初めから大きな金額を一括で預け入れることなく、月々の収入から無理なく積み上げていけますので、若年層でこれから車やマイホームや教育資金などの漠然とした用途に向かって貯蓄を始める方には積立預金が向いています。
その理由の一つは、お金を引き出して使うことも前提とした預金方法ですから、最適なお金の使い所に合わせて出金できる自由度や安心感です。
また、満期を定めずに積み立て続けられる商品もあり、自力では貯金を続けるのが難しい方にとっては、毎月コツコツとそして余裕があるときには多めに貯金するという習慣を持ち続けられるのも大きな魅力でしょう。
途中で解約の可能性が考えられる方
積立預金であれば途中解約が比較的容易なので、以下のような可能性があるなら積立預金を選択しましょう。
- ご家族が病気療養中で今後の容態によってはまとまった治療費が必要になる可能性がある場合
- すでにゆっくりとマイホーム探しを始めていて、もしも気になる物件があればすぐにでも購入しようと考えている場合
ただし、積立預金と名前がよく似た積立定期預金というものもあり、途中解約や金利への影響は金融機関ごと金融商品ごとに異なります。
ですから、名前に積立が付いているから解約や出金が自由にできるものと安易に決めつけず、加入の際には条件面をしっかり確認するようご注意ください。
おすすめできる他の投資手法
定期預金・積立預金の他にもおすすめしたい投資手法をご紹介します。
NISA・iDeCoを活用した投資信託への投資
NISAやiDeCoなどの節税できる制度を活用して投資信託へと投資するのもおすすめです。投資信託は元本割れのある商品なので、定期預金・積立預金よりもハイリスクですが、その分ハイリターンも狙えます。
積立型の商品であれば、1口1,000円程度から出資できる手軽さも魅力です。
不動産クラウドファンディング
マンション開発や土地開発などの不動産プロジェクトに1口数万円から出資できる不動産クラウドファンディングもおすすめの投資手法です。株式投資ほどリスクがなく、定期預金・積立預金よりもハイリターンを狙えます。元本割れのリスクも低いので、リスクを低めに安定的な高リターンを狙いたい方は、ぜひ検討してみてください。
定期預金と積立預金は特徴で選ぼう
定期預金と積立預金の特徴をご理解いただけましたら、自分に合った預金方法を使い分けて無理のない資産形成を少しずつ始めていきましょう。
注意すべきは、いずれもお金を貯める仕組みとしては優れていますが、お金を大きく増やすという効果は期待できません。
もしも預金とは別に資産運用をお考えでしたら、不動産を活用したリスクの少ない投資方法として不動産クラウドファンディングもご検討ください。1口1万円の小口から無理なく投資が可能です。
【監修者】FP1級技能士 永田智睦
信用金庫勤務後、独立系FP事務所を経営。金融業界で16年の実績がある。年間300件以上の個人事業や中小企業の相談に対応しつつ、個人のお金にもフォーカスをあて、経営者と企業が豊かな人生になるように全力でサポートしている。CFP資格、PBコーディネーターの資格も保持。
LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部
金融分野全般に視野が広いライターと、不動産クラウドファンディングに精通した校閲メンバーにて構成。投資家目線のわかりやすい記事を届けることをモットーに、不動産クラウドファンディングを中心とした投資お役立ち情報をお届けします。