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おすすめコラム 2024.08.01

「リートはおすすめしない」と言われる理由とは?メリット・デメリットと基礎知識について解説

LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部です。

リートに興味はあるけれど「リートはおすすめしない」という情報をよく目にすることで、投資を始められないという方もいるでしょう。

そこでこの記事では、リートとは何かをわかりやすく解説。メリット・デメリットについて理解できますので、自分にリートが投資方法と適しているか判断する上で役立ちます。この記事を参考にしていただき、自分に合った不動産投資を今日から始めましょう。

リート(REIT)とは

まず、「リートとは何かよくわからない」という方向けに、リートがどのような金融商品なのか、以下でわかりやすく解説します。

リートとは不動産投資による利益を分配する金融商品

リートとは、投資家や金融機関から集めた資金を元手に、不動産投資によって得た利益を分配する金融商品です。リートは「Real Estate Investment Trust」の頭文字を取った言葉。アメリカで生まれた仕組みであるため、日本のリートはJ-REITと呼ばれます。

リートは株式と同じ様に、証券取引所で売買が可能です。不動産投資会社が投資証券を発行し、投資家はそれを購入して投資を行います。不動産投資会社はその資金を使って不動産投資を行い、賃貸収入や不動産の売却益によって得た利益を投資家に分配するという仕組みです。

リートに投資する際には、個別銘柄に投資するだけでなく投資信託やETFを購入するという方法もあります。投資信託やETFの購入は東証REIT指数と連動するため、リスクを分散できることがメリットと言えるでしょう。しかし、信託報酬と呼ばれる管理費用が差し引かれるため、リートへの投資で多くの利益を求める場合には投資信託はあまりおすすめしない商品です。

リートは収益の90%を超える分配を行うといった条件を満たすと、実質として法人税がかからないという仕組みがあります。そのため、リートは不動産投資の運用状況により、分配金が多く得られる可能性がある金融商品と言えるでしょう。

リートの3つの種類

リートにはおもに以下の3種類があります。

  • 単一用途特化型
  • 複合型
  • 総合型

単一用途特化型のリートは、オフィスビル特化型や住居特化型など、特定の用途に特化した1種類の不動産に投資を行います。単一の種類なので値動きが予測しやすく、大きな分配金が狙えることが特徴です。ただし、1種類に特化するためリスクが分散できないというデメリットがあります。

複合型のリートは2種類、総合型は3種類以上の用途の不動産に投資するリートです。投資先の不動産の種類を増やすことで、リスクを分散できることが特徴。安定した分配金を得られることが複合型と総合型の魅力と言えるでしょう。ただし、大きな分配金を得られる可能性は、単一用途特化型と比較すると低いです。

前提として単一用途特化型・複合型・総合型のどの種類であっても、不動産市場の低迷や景気動向による影響を受ける可能性があることを覚えておきましょう。

リートで投資するおもな物件の種類

リートの投資先のおもな不動産の物件の種類は以下の通りです。

  • 住宅
  • オフィス
  • ホテル
  • 商業施設
  • 物流倉庫
  • ヘルスケア施設

住宅は利益が景気動向の影響を受けづらく、安定した分配金が見込めます。オフィスやホテルは景気動向の影響を受けやすいため、経済状況の見極めが重要です。

物流倉庫は、eコマース市場の拡大により今後の成長が期待できるでしょう。一方で、商業施設はeコマースの需要の拡大の影響により、先行きが不安視されています。ヘルスケア施設には高齢者向け施設や住宅、医療関連施設などが含まれます。ニーズが高まっているため、将来性が高い投資先と言えるでしょう。

「リート(REIT)はおすすめしない・やめとけ」と言われる理由とデメリット

「リートはおすすめしない」と言われる理由や、理解しておきたいデメリットについて以下で解説します。

元本割れのリスクがある

リートには、他の金融商品と同様に元本割れのリスクがあります。

リートには株式のように価格変動があり、購入時の価格を下回る可能性があるからです。不動産投資は、経済情勢・不動産市場の動向・自然災害など、さまざまな要因による影響を受けます。正確な予測が難しいので、元本割れによる損失が出た場合に生活に影響を与えない余剰資金でリートへの投資を行うことが大切です。

投資法人の倒産・上場廃止のリスクがある

リートは不動産投資法人の倒産や上場廃止によって、投資証券の価格が大幅に下落するリスクがあります。リートの個別銘柄を購入する場合には、不動産投資法人や投資対象の状況を定期的に確認することが重要です。

運営状況によって分配金が減るリスクがある

不動産投資法人の運営状況により、分配金が減るリスクがリートにはあります。例えば、コロナ禍の影響により観光客が減少し、ホテルに特化したリートは分配金に低下傾向が見られました。

このように、投資する時点で高い利回りのリートを選んだとしても、投資対象の状況の変化によって分配金が減少する可能性が考えられます。安定した分配金を得るためには、利回りの数値だけでなく投資対象に関しても考慮する必要があるでしょう。

複利効果が得られない

リートは不動産投資法人が得た利益を再投資せずに分配金として支払うという仕組みのため、複利効果が得られません。

複利効果とは、運用で得た利益を再び投資し、得られる利益が膨らんでいく効果のこと。リートで複利効果を得るには、分配金でさらにリートを購入する必要があります。しかし、リートの最低購入金額は数万円からですので、多額の投資を行わければ分配金のみで再投資を行うことは困難でしょう。

複利効果を考慮した長期投資で資産形成を目指す場合には、リートは非効率となる場合が考えられます。

自然災害や事故などの影響を大きく受ける

住宅・オフィス・ホテル・商業施設といった不動産を投資対象とするリートは、自然災害や事故の影響を大きく受けます。自然災害や事故によって被害が出れば、賃貸収入を得ることができなくなり、分配金に影響を与える可能性があるからです。

このようなリスクを軽減するためには、投資対象を選ぶ際に物件の種類だけでなく地域も考慮する必要があります。地域を集中させないことで、自然災害などによる影響によるリスクの分散が可能です。

投資のための融資を受けられない

リートに投資を行う際は、金融機関の融資は受けられません。自己資金を上回る金額の投資が行えないため、少ない資金で大きな利益を得ることは難しいです。

多額の投資を行って効率的に資産形成が行いたい場合には、金融機関から融資が受けられる通常の不動産投資の方が効率的です。

現物不動産投資よりも節税のメリットが少ない

リートは、通常の不動産投資と比較すると節税のメリットが少ないです。通常の不動産投資の場合には、物件の購入や賃貸の管理にかかるコストを経費として計上できます。また、事業規模で行う場合には、申告を行えば青色申告控除を受けることも可能です。

一方でリートは、分配金や売却益に対して他の金融商品と同様に約20%の税がかかります。複利効果がなく、分配金を得る度に課税されるため、リートはむしろ税金の支払い金額が高い投資方法と言えるでしょう。

リート(REIT)に投資するメリット

次に、リートに投資するメリットについて解説します。メリットとデメリットを理解し、自分にリートへの投資が適しているか判断することが、失敗せずに利益を得る上でとても重要です。

不動産投資に関する知識なしで始められる

不動産投資に関する専門的な知識がなくても、リートへの投資は始められます。投資初心者でも取り組みやすい投資方法と言えるでしょう。ただし、安定した資産の増加や大きな利益を目指す場合には、不動産投資や投資自体に関する知識を学ぶことは不可欠です。

換金性が高い

リートは証券取引所で取引証券が自由に売買できるため、流動性と換金性が高いです。不動産投資は、必要な時に手軽に現金化が行えません。物件の売却には、査定や買い手を探すなどの手間と時間がかかります。

少額での分散投資が可能

リートは個別銘柄であっても1万円台から投資できるため、少額の資金でも分散投資が可能です。不動産投資の場合には、マンションの一室の購入で数百万円から数千万円、一棟の購入となると数十億円必要となる場合もあります。多額の資金が必要な不動産投資と比較すると、リートはハードルが低い投資方法と言えるでしょう。

預貯金などと比較して利回りが高い

リートは預貯金と比較すると高い利回りが期待できます。

一般的な銀行の普通預金金利は、0.001%程度です。また、東証一部上場企業の市場全体の利回りを見る上での指標となる単純平均利回りは2022年3月時点で1.91%です。

一方で、リートの平均利回りは2002年3月時点で3.67%。普通預金や株式投資と比較するとリートの平均的な利回りは高いため、より大きな利益が期待できるでしょう。

参照:
預金金利・利率 | みずほ銀行 https://www.mizuhobank.co.jp/rate_fee/rate_deposit.html
その他統計資料 株式平均利回り(2022年3月)| 日本取引所グループ https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/03.html
月刊REIT(リート)レポート(2022年3月版) https://www.jpx.co.jp/equities/products/reits/reports/tvdivq0000007ago-att/REIT.pdf

値上がり益も期待できる

リートは株式と同様に価格が変動するため、購入時よりも価格が上がれば値上がり益が期待できます。値上がり益を狙う場合には、購入時の価格を下回る元本割れのリスクに注意が必要です。しかし、上手く値動きを捉えられれば、値上がり益によって資産を大きく増やせるでしょう。

物件管理のための手間やコストがかからない

リートは不動産物件を直接管理しないため、それに伴う手間やコストがかかりません。不動産投資には、おもに以下の作業が必要です。

  • 物件探し
  • 物件確認
  • 不動産会社とのやりとり
  • 売買価格の交渉
  • 入居者の募集
  • 清掃・修繕・リフォーム・リノベーション

このような手間がかからないリートは、手軽に始められる投資方法と言えるでしょう。

少額からの不動産投資なら「不動産投資クラウドファンディング」もおすすめ

リートはメリットもありますが、「リートはやめておけ」と言われるようなデメリットもあります。しかし、メリットとデメリットはリートに限らず、どのような投資方法にもあるもの。自分の投資可能な資金を踏まえて、どのような目的を持って投資を行うかを明確にし、それとマッチする投資方法を選ぶことが大切です。

もしも、より手間と時間をかけずにリスクを抑えて不動産投資を始めたいのであれば、不動産投資クラウドファンディングという選択肢もあります。1万円から始められ、4%を超える想定利回りを提示するファンドも少なくありません。不動産投資を始めたいと考えている方は、リートと併せて不動産投資クラウドファンディングも選択肢として検討することをおすすめします。

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【監修者】CFP資格保有者 宮脇英寿
中学高校の数学教師を経てファイナンシャルプランナーの道に進む。年間100世帯以上の個別相談に対応しながら、確定拠出年金や住宅ローン、ねんきん定期便の見かた等各種セミナー講師も担当。住宅ローンアドバイザー、宅地建物取引士の資格も保持。

LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部
この記事を書いた人

LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部

金融分野全般に視野が広いライターと、不動産クラウドファンディングに精通した校閲メンバーにて構成。投資家目線のわかりやすい記事を届けることをモットーに、不動産クラウドファンディングを中心とした投資お役立ち情報をお届けします。

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