【2022年】不動産クラウドファンディング市場 年間マーケットレポート

新年度・新学期・新生活と新しいことが多い今の季節。
不動産クラウドファンディング市場もこの一年間で大きく変化がありました。
本レポートでは2022年の不動産クラウドファンディング市場にどのような変化があったのかを過去のデータも織り交ぜて調査しました。ぜひ市場動向を把握するための参考にしてください。
不動産クラウドファンディングの市場規模
2017年の不動産特定共同事業法改正によりインターネットでの電子募集が可能となって以降、供給数、募集総額ともに成長を続けている不動産クラウドファンディング市場ですが、2022年も大きく成長しました。
ファンドの募集総額
2022年のファンド募集総額は約548億円で、前年比で224%の増加となりました。
特に2022年は募集額の規模が大きい大型プロジェクト案件が多く出た年でした。ファンド供給数の増加だけでなく、ファンドあたりの募集金額(事業規模)も拡大していることから事業者も投資家も注目する選択肢となり始めていることがうかがえます。
2018年からは約24倍の成長となっています。事業者の新規参入だけでなく、既存事業者のファンド規模拡大やファンドの組成ペースの勢いが年々増しているためと見られます。

ファンド供給数
2022年のファンド年間供給数は508件で、前年比で147%の増加となりました。
コロナ禍が始まった2020年こそ伸びが鈍化したものの、以降はコロナ禍以前の拡大傾向が続いています。2022年は参入事業者の増加とともに、事業者あたりの供給数も拡大しました。
2018年から比較すると17.5倍となっています。

新規参入数
2022年は、21社が新たに不動産クラウドファンディング事業に参入しました。
(※2022年に免許を取得した事業者のうち、ファンドの組成を行なった事業者に限定した数)
2018年からの累計では64社となりました。
また、そのうち2022年にファンドを供給しているのは57社です。
投資家登録をしてもファンドの組成がされなくなることもありますので、定期的に投資家登録した事業者の動向はチェックしてみましょう。

▼2022年の新規参入サービス
サービス名 | 参入月 | |
---|---|---|
1 | Mr.FUNDMAKER(サービス終了) | 1月 |
2 | SOLS | 1月 |
3 | TOMOTAQU | 2月 |
4 | Myファンドクラウドファンディング | 3月 |
5 | REISM ファンズ | 4月 |
6 | KORYO Funding | 4月 |
7 | GALA FUNDING | 5月 |
8 | Ezファンド | 5月 |
9 | 6月 | |
10 | T’s funding | 6月 |
11 | ADVANCE FUNDING | 7月 |
12 | mitasファンディング | 8月 |
13 | DARWIN funding | 8月 |
14 | Lives FUNDING | 9月 |
15 | SOCIO CROWD | 9月 |
16 | JIN-SAKUみらいファンド | 10月 |
17 | 不動産BANK | 11月 |
18 | みんなでシェアファンド | 11月 |
19 | REVADD | 11月 |
20 | GOLD CROWD | 12月 |
21 | Mercurius | 12月 |
ファンドの組成傾向
ファンドの組成傾向も見てみましょう。
平均利回り(年度別)
2022年に組成されたファンドの平均利回りは、5.80%でした。
2021年より募集金額が1億円を超える大型案件でも、高利回りでファンド組成される傾向が見られました。2022年もその流れが続き、結果的に6%に近い平均利回りとなっています。

※利回り数値は予定累年配当金額÷予定累年運用金額で算出 予定累年配当金額・・・利回り×募集総額×運用日数÷365日 予定累年運用金額・・・募集金額×運用日数÷365日
平均運用期間(年度別)
2022年に組成されたファンドの平均運用期間は、371日でした。
2018年以降、運用期間は長くなっていっている傾向にあります。
これは、サービスをスタートさせてすぐの段階では運用期間が短めのファンドを組成することが多く、実績を積んでからは少しずつ運用期間を伸ばして組成されるようになる傾向によるものと推測されます。

平均募集額(年度別)
2022年に組成されたファンドの平均募集額は、約1.1億円でした。
不動産クラウドファンディングが始まってから、はじめての1億円超えとなりました。
全体的には、まだ実績が少ないうちは比較的少なめの募集金額でファンドを組成し、実績を積んでから大きなサイズのファンドを組成する傾向が見られます。

対象物件の所在エリア
2022年のファンド対象物件の所在エリアは、引き続き東京都が多くを占めています。
ただし、2021年と比較すると神奈川・埼玉・千葉のベットタウン、関西・その他国内地域の物件の割合が増加しており、東京以外の事業者を中心となってファンドを積極的に組成している傾向が表れています。

まとめ
いかがでしたでしょうか?
2022年の不動産クラウドファンディング市場を過去4年と比較して振り返ってみました。コロナ禍の影響を受けつつも、それを押し返すパワフルな伸びを見せている市場になっています。
2023年も引き続き、不動産クラウドファンディング市場の動向についてぜひ注目していきましょう。

LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部
金融分野全般に視野が広いライターと、不動産クラウドファンディングに精通した校閲メンバーにて構成。投資家目線のわかりやすい記事を届けることをモットーに、不動産クラウドファンディングを中心とした投資お役立ち情報をお届けします。