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おすすめコラム 2023.03.10

日本人の6割は投資を行っていない!? 若いうちから投資を行ったほうがいい理由とは?

本記事はLIFULL HOME’S 不動産投資からの寄稿記事です。

MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)の調査によると、いかなる投資も「行っていない」日本人の割合は59.2%という結果でした。アメリカでは38.3%、中国では26.8%の回答になっており、1.5倍~2倍程度も多いという実態です。

そんな日本でも学校教育で金融教育が取り入れられ、iDeCoやNISAの普及もあり、状況が変わろうとしています。本記事では、若いうちから投資に向き合うためのポイントを解説します。

▼参考:MMD研究所「日米中3ヶ国都市部スマートフォンユーザー比較調査第2弾~お金編~」
http://mmdlabo.co.jp/PRESS_RELEASE/20221019-MMD.pdf

投資を始めるのが遅い?

資産形成に関するベストセラーであるラミット・セティ氏の著書『I Will Teach You To Be Rich(金持ちになる方法を教えよう)』には、「投資を始めるのが遅すぎる」「今すぐ少額投資の習慣を身につける」といったことが書かれています。これは、具体的にどういうことなのでしょうか。

セティ氏は、多くの若者が手元に大きなお金がないことを理由に、投資を始めるのを遅らせているとも指摘しています。しかし、実際のところ、投資を始めるのに大きなお金は必要ありません。例えば、毎月5,000円からでも投資を始めることができます。仮に22歳で大学を卒業して社会人になり、65歳になるまでの22年間で毎月5,000円ずつ積立しながら年利5%で運用した場合のシミュレーションが以下の図です。

カシオ 積立計算(複利毎課税)にて計算、作成 https://keisan.casio.jp/exec/system/1254841870

5,000円という少額でも、長期間運用しながら積み立てを続けると積み立て元本は252万円となり、元本と利益を合算すると約833万円を超える金額にもなるのです(税金、運用にかかる手数料は考慮していない)。毎月ほとんど負担感なく支払える金額を払い続け、将来手元に800万円を手にすることができたら、ゆとりが違うのではないでしょうか。

そして、グラフを見るとわかるのが、運用期間が長いほど資産の増えるペースが速くなっていること。これは、「複利」効果を得ることができるためです。

複利とは?

複利とは、投資や預金等により得られた収益を当初の元本にプラスし運用することで、さらに利益が大きくなる仕組みのことを言います。例えば預金すると利息がついてきますが、得られた利息も含めた金額が元本となり、次回の利息を計算する際は前の利息を含めて計算するので、段々と利息が大きくなっていきます。この仕組みが複利です。

雪の上で雪玉を転がしたときのようなイメージで、転がすほどに雪玉は大きくなっていきます。このとき最初に転がす雪玉が元本で、雪玉についてくる雪が複利の利息というイメージです。複利で運用すると、そのように年々資産が増えていくことになります。そのため、運用は長期で考えるほど収益が大きくなりやすいのです。こうしたことから、手元に資金がない状態であっても、少額からまず投資を始めてみることが重要になります。

もちろん、実際の投資ではグラフのように、毎年増え続けるわけではありません。しかし、実際に過去に積み立て投資を行った結果を見ると、上下を繰り返しながらもこのグラフに近い形で増えていくことがわかります。

低金利時代に複利を生かせるような高いリターンは可能なの?

計算例ではリターンを5%としていますが、これは実際に私たちの公的年金の積立金が運用されている、現在の資産配分で実現している平均リターンです。国内株式、外国株式、国内債券、外国債券を均等に50:50で組み合わせ、比較的リスクを抑えた資産配分といえる配分でも、過去20年程度の実績では5%を上回るリターンです。これは、十分に期待できる利回りといえます。

また、20代の若者が老後を迎えるまでの超長期間で運用するなら、株式のウェイトを増やしたり新興国の株や債券といった資産、不動産等も組み合わせたり、もっと積極的な配分で運用してもいいでしょう。さらに高いリターンも狙うこともでき、たとえ毎月5,000円ずつでも、老後を迎える頃には1,000万円を超える資産に育てることも計算上は可能です。

一般的に、運用できる期間が長いほど、その間の相場は何度も上下を繰り返し、仮に下がることがあっても、待つ時間があるため積極的にリスクを取れると考えられています。投資において時間は強い味方になりますので、早く投資を始めたほうがいいというのはこのためでもあるのです。投資信託の購入方法で積み立て設定を選べるため、一度設定してしまえば何もせず同じ商品を機械的にずっと買い続け、自動的に積み立てできる仕組みが出来上がります。セティ氏が述べているのは、このように自動的に積み立て投資できる仕組みを早期につくることです。

また、セティ氏は401Kの活用も推奨しています。日本でも同様の仕組みを使うことができ、それが企業型確定拠出年金(企業型DC)やiDeCoです。これらは税制が優遇された制度で、掛け金が全額税金の控除対象になり、年末調整の際の税金の還付を受けることができ、そして翌年の住民税が安くなります。さらに、運用期間中の利益についても課税されません。受け取り時も退職金や公的年金と同じ税金の優遇を受けることができるため、とても有利に資産形成を行えるのです。

投資をしてきた日本人と、欧米人の差は?

日本でも2022年4月より、高校の家庭科で金融教育がスタートしました。授業外でも金融教育に力を入れ始めた学校がありますが、アメリカやイギリスではもう30年以上も前から金融教育を取り入れており、将来の資産形成のために活用しています。その結果、金融庁の資料によれば家計金融資産のうち日本では「現金・預金」が51.9%を占めるのに対し、これがアメリカでは13.7%、イギリスでは24.4%にとどまっているのです。このことから、現預金が占めるウェイトが大きく異なるのがわかるでしょう。なお、イギリスは保険・年金のウェイトが大きくなっていますが、保険は投資性の商品であり、日本で主流となっている貯蓄目的の保険とは性格が異なります。

1995年から2015年までの家計金融資産の推移を見ると、20年で資産の成長に大きな差がつきました。アメリカは3.11倍、イギリスは2.27倍に増えたのに比べ、日本は1.47倍という結果です。これは、学校教育で投資を習った欧米と、投資を避けて貯蓄に偏っていた日本の差といえるでしょう。

▼参考:金融庁「家計金融資産残高(2019年2月)」
https://www.fsa.go.jp/singi/kakei/siryou/20170203/03.pdf

暗号資産に偏らない

近年注目されている投資の一つに、暗号資産(暗号通貨、仮想通貨)が挙げられるでしょう。ビットコインなどに投資することで、「億り人」という億単位の利益を得た人もいます。しかし、暗号資産は多くても、保有資産内の5%程度に抑えるべきでしょう。なぜなら、資産を保有するのに、このような値動きの激しい資産は望ましくないためです。

投資においてリスクとリターンは表裏一体の関係にあり、高いリターンを得ようとしたら高いリスクが伴います。暗号資産に投資してリターンを得た人も実際にいますが、反対に大きく損失を出してしまった人も少なくありません。そのため、暗号資産は資産全体の5%程度に抑えておき、価格の上下があまり資産全体に影響を及ぼさない程度にしておくことが望ましいといえます。

株式や債券、不動産等、複数の投資対象にコツコツと積み立て投資することは、資産形成の基本です。短期的に大きく増えることはあまり期待できませんが、過去の実績で言えば何十年もの間で続けていれば誰も損をすることなく、長い期間で資産を大きく増やせている方法と言えます。今後においても、必ずとは言えないものの同様のことが期待できるでしょう。

まとめ

ベストセラーになったラミット・セティ氏の著書にある内容について解説し、資産がなくても早いうちから少額ずつ投資することが大切であることをご紹介しました。若い頃から将来のことを心配し、自己投資をせずに資産形成ばかりに偏ってしまうのも問題ではあります。しかし、投資は毎月5,000円や1万円など、あまり負担にならないような金額からでも始められますので、検討してみてはいかがでしょうか。

まずは少額から資産形成を継続していく習慣を身につけ、自己投資で今後の自分の収入を増やしていけば、結果として将来大きな資金を手元に残せます。投資の基本を学びながら、自動的にお金がたまり、育てられる仕組みをつくってみてください。

元記事:日本人の6割は投資を行っていない!? 若いうちから投資を行ったほうがいい理由とは?

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部
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