20代の平均貯金額と中央値はいくら?|毎月手取りの10%を貯金するコツ

本記事はLIFULL HOME’S 不動産投資からの寄稿記事です。
新社会人として働き始めたばかりの人も多い20代。お給料をもらうようになると、少しずつ貯金を意識する方も多いのではないでしょうか。
「他の人はどのくらい貯金しているんだろう……」「今後どのくらいの貯金が必要なんだろう……」色々と気になりますよね。
そこでこの記事では、20代の方の平均貯金額や貯金額の中央値について解説します。今後のライフイベントにかかる費用や生活費の目安、貯蓄目標額とそれを達成するためのコツについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
20代の平均年収
国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」(2020年9月)によると、20代男女の平均給与額は以下の通りでした。
男性 | 女性 | 平均 | |
---|---|---|---|
20~24歳 | 278万円 | 248万円 | 263万円 |
25~29歳 | 403万円 | 328万円 | 365.5万円 |
20代の平均年収は300万円前後であるといえるでしょう。
ちなみに全年齢の平均給与は、男性540万円、女性296万円、全体で418万円となっています。
20代の平均貯金額と中央値
データの傾向を調べるときに使う値には、平均値と中央値があります。
【平均値】……全データを足して、データの個数で割った値
【中央値】……全データを小さい順や大きい順に並べ、その中央にくる値
多くの場合において平均値がよく使われますが、データのなかに他の値と大きくかけ離れた値(外れ値)があった場合、平均値はその影響を受けて誤差が生じてしまいます。そのため、より正確な傾向を知るためには、平均値とともに中央値を算出する必要があるわけです。
そこで、20代の方の貯金額を平均値・中央値両方から見ていきましょう。
【年収別】20代の平均貯金額一覧
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2020年)」によると、20代の全世帯の金融資産保有額は平均113万円でした。そのうち預貯金額は77万円となっています。
20代の貯蓄額を年収別に見ると、以下のとおりです。
年収 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
年収なし | 9万円 | 0万円 |
300万円未満 | 76万円 | 5万円 |
300~500万円未満 | 164万円 | 57万円 |
500~750万円未満 | 424万円 | 351万円 |
750~1,000万円未満(※) | 5万円 | 5万円 |
1,000~1,200万円未満(※) | 750万円 | 750万円 |
1,200万円以上(※) | 1,000万円 | 1,000万円 |
(※)年収750万円以上の世帯は回答数が少ないためデータに偏りあり
参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2020年)」
20代の貯金額の中央値
上記の表を見て分かるとおり、平均値と中央値には大きな誤差があります。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2020年)」によると、20代全世帯の金融資産保有額の平均113万円に対し、中央値は8万円。
さらに同調査を見ていくと、20代の調査対象世帯の中で金融資産を保有している人は56.8%。つまり残りの43.2%はそもそも貯金を保有していないということです。
20代の平均貯金額113万円と聞くと、20代でも多くの人がそれなりの貯金を持っていると感じるでしょう。しかし中央値で見ると、実際は20代の多くの世帯で十分な貯金を保有していない実態が分かります。
【男性・女性別】20代の貯金額分布

次に、男性・女性別に20代世帯の貯金額分布を見てみましょう。
参考:厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」より作成
こちらも、貯蓄なし・50万円未満の世帯が多いことが分かります。
また平均年収は男性より女性のほうが低いものの、男性と同等もしくは女性のほうが貯蓄額が高い結果が出ているようです。
20代の毎月の貯金額

では、20代の方は毎月どのくらいの額を貯金しているのでしょうか?
楽天銀行が2014年に公表した「若手20代社会人のお財布事情についてのアンケート調査」を見てみましょう。
毎月2万~5万円を貯金している人が最も多い結果でした。20代の平均年収を300万円前後と考えると、手取りはおおよそ240万円程度。つまり、手取りの10~25%程度を貯金している人が多いといえます。
しかし一方で、20%近い人が貯金できていない、もしくはできていても1万円以下と、かなり少ない額であることが分かります。
20代以降のライフイベントにかかる費用
就職して間もない20代は、これからさまざまなライフイベントを迎える方が多いでしょう。結婚や出産、マイホーム購入など、環境の変化に伴い多くの費用がかかってきます。
今後の目標貯金額を知るためにも、それぞれのライフイベントにかかる費用を把握しておくことは重要です。以下の記事では、結婚費用・教育費用・マイホーム購入費用などについて解説していますので、ぜひ併せて読んでみましょう。
【貯金の仕方おすすめ3選】人生の大イベントに必要な貯金額の平均は?
20代一人暮らしにかかる生活費
では次に、20代一人暮らしの方の生活費の平均額を見ていきましょう。
総務省「家計調査/家計収支編 単身世帯(2020年)」によると、34歳以下単身世帯の年間消費支出平均額は約179万5,000円。12ヶ月で割ると、月平均約15万円でした。
20代平均年収に対し、生活費が占める割合は49~68%程度となっています。
【代表的な生活費の内訳】
食費 約3万7,000円/月
住宅費 約3万8,000円/月
(※持ち家の場合、ローン返済費は住宅費に含まれない)
水道光熱費 約7,600円/月
家具・日用品等 約4,400円/月
洋服等 約5,600円/月
保険医療費 約3,300円/月
交通・通信費 約19,000円/月
教育・娯楽費 約19,000円/月
交際費 約3,600円/月
など
その他、20代の方や一人暮らしの方の生活費について詳しく知りたい方は、以下のコラム記事を参考にしてください。
20代の一人暮らし、実際にはどのくらいお金がかかる? 女性・男性で比較してみた
一人暮らしの費用をシミュレーション! 家賃の目安や初期費用の平均額、節約のコツも解説
一人暮らしの水道光熱費の平均的な料金とは? 節約術についても解説
20代の給与に対する貯蓄割合
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2020年)」によると、20代の年間手取り収入からの貯蓄割合は平均18%でした。
世帯内訳で最も多いのは「貯蓄しなかった」の22.3%、次いで「35%以上貯蓄した」の17.2%という結果です。世帯によって貯蓄の割合に大きな開きがあることが分かります。
毎月の貯蓄目標は手取りの10~20%
先述した楽天銀行の「若手20代社会人のお財布事情についてのアンケート調査」では、手取りの10~25%程度を貯金している人の割合が最も多い結果でした。
そのほか、20代の平均年収に占める生活費割合が50~70%程度であることや、貯蓄割合の平均値などから総合的に考えて、20代では手取りの10~20%程度を毎月の貯蓄目標にするのがおすすめといえます。
なかなか貯金が難しい人は、まずは手取りの10%の貯金を目標にするとよいでしょう。
手取りの10%を貯金に回すための4つのコツ
手取りの10%貯金を達成するために有効なコツを4つご紹介します。
家計を見直す
まずは、自分の家計の状況を把握しましょう。どの程度の金額をどのようなものに使っているのか、支出の内訳を知ることが重要です。
無駄な出費があれば、それらを見直して支出を抑えるだけで浮いたお金を貯蓄に回すことができるでしょう。
簡単に家計簿がつけられるアプリなどもありますので、ぜひ参考にしてください。
家計簿のつけ方・ツール解説~資産運用に役立つおすすめアプリ3選~
貯蓄用の口座を分ける
できれば、給料が振り込まれる口座と貯蓄用の口座を分けておきましょう。1つの口座で管理していると、知らず知らずの間に生活費として使ってしまいがちです。
給与が振り込まれた段階で、すぐに貯金分を貯蓄用の別の口座に移しておくとよいでしょう。勤め先によっては、指定の金額を2つの口座に分けて振り込んでくれる企業もあります。
無理のない節約を意識する
貯蓄のためには、ある程度の節約や家計の見直しは重要です。しかし、あまり無理のある節約プランを立ててしまうと、途中で挫折したりストレスがたまって余計にお金を使ってしまったりする可能性があります。
無理のない範囲でできる節約術もありますので、ぜひ参考にしてください。
節約は無理をしなくても大丈夫! 今日からできる簡単節約術8選
サラリーマンにおすすめの節税方法・税金対策10選
投資で資産を増やす
ある程度貯金がたまってきた方におすすめなのが、投資による資産運用です。
超低金利時代が長く続く日本では、預貯金で得られる金利はごくわずか。しかもインフレが起きたら、現金の価値が下がってしまうリスクもあります。
そこで、ぜひ投資によって資産を増やすという選択肢を持っておきましょう。初心者でも比較的取り組みやすい投資には、つみたてNISA(ニーサ)や不動産投資があります。そのほか、元本保証のある商品やローリスクで始められる金融商品もありますので、ぜひ以下の記事を参考に理解を深めておきましょう。
NISAについて詳しくはこちら。
NISA(ニーサ)とつみたてNISA(ニーサ)の違いを分かりやすく解説
不動産投資について詳しくはこちら。
初心者でも少額で不動産投資を始められる5つの方法
元本保証・ローリスクな投資について詳しくはこちら。
投資初心者向け|元本保証・ローリスクな金融商品おすすめ6選
まとめ
就職したばかりの20代で、十分な貯金ができている方はそう多くはないでしょう。しかし20代は、30代へと進むにつれて大きなライフイベントを控えており、さまざまな出費に備えなければならない年代でもあります。
少し意識を変えて家計を工夫すれば、手取りの10%を貯金することは決して不可能ではないでしょう。
自分の年収や今後のライフプランに合った貯蓄額を設定し、達成に向けて工夫してみてくださいね。

LIFULL HOME'S 不動産投資編集部
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