不動産クラウドファンディング「COZUCHI」の評判、サービスのメリット・デメリットは?

LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部です。
最近、新しい投資方法として注目されている不動産クラウドファンディングですが、複数のサービスがあるため、どのサービスを選ぶべきか迷っている方もいるでしょう。
この記事では、不動産クラウドファンディングサービス大手のひとつであるCOZUCHIについて、利用者からの評判やメリット・デメリット、過去に募集されたプロジェクトの例などを解説します。これから不動産クラウドファンディングを始める方はもちろん、他のサービスで不動産クラウドファンディングの経験がある方も、COZUCHIの利用を検討する際の参考にしてください。
※本記事は掲載サービスについてLIFULL不動産クラウドファンディング編集部の観点から解説を行っているものであり、投資に関する全てのリスクについて提示するものではありません。投資の判断はご自身の責任の範囲内で行ってください。
COZUCHIとは
COZUCHIとは、1万円から投資可能な不動産クラウドファンディングを取り扱っているサービスです。株式会社LAETOLIによって運営されており、これまでに40件以上のプロジェクトを成立させた実績があります。
サービス名 | COZUCHI(コヅチ) |
運営会社 | LAETOLI株式会社 |
サービス開始 | 2019年より、旧サービス名のWARASHIBEとしてスタート。2021年8月より、COZUCHIへリニューアルされました。 |
サービス内容 | アパート・マンション、商業施設、オフィスを投資対象とする不動産クラウドファンディング |
最低投資金額 | 1万円より投資可能 |
運用期間 | 2か月〜2年など、プロジェクトによる |
主な契約型 | 匿名組合 |
COZUCHIの特徴
COZUCHIには以下のような特徴があります。
- 募集方式はプロジェクトによって先着式・抽選式がある
- 簡単に運用状況をチェックできるスマートフォンアプリを提供
- 契約型は投資家が有限責任で不動産の運営をCOZUCHIに任せられる「匿名組合」
募集方式はプロジェクトによって先着式・抽選式がある
不動産クラウドファンディングの募集方式では先着式と抽選式が一般的ですが、どちらか片方しか提供していないサービスが少なくありません。しかし、COZUCHIでは先着式と抽選式のプロジェクトの両方があるため、ライフスタイルや投資に割ける時間などに合わせて選べるのが特徴です。
簡単に運用状況をチェックできるスマートフォンアプリを提供
COZUCHIには専用のスマートフォンアプリがあり、自分のスマホにダウンロードすれば投資したプロジェクトの運用状況が簡単にチェックできるようになります。アプリを使って登録時の本人確認がスムーズにできる機能があるため、これからCOZUCHIに登録する方にも便利です。
契約型は投資家が有限責任で不動産の運営をCOZUCHIに任せられる「匿名組合」
COZUCHIが提供する不動産クラウドファンディングでは、不動産特定共同事業法に基づき「匿名組合」という契約型を採用しています。匿名組合の特徴は、以下の4つです。
- 出資金額が少ない
- 出資者の責任は有限
- 不動産の運営は事業者に任せられる
- 不動産登記を事業者が行うため、投資家の名前は登記簿上には載らない
COZUCHIのように匿名組合の不動産クラウドファンディングは、上記の特徴により、不動産投資について詳しくない方でもリスクを抑えながら投資しやすくなっています。
メリット
COZUCHIで不動産クラウドファンディングに投資するメリットとして、以下の3点を解説します。
- 高利回りを実現する配当ポリシー
- いつでも換金可能
- 投資資金が守られやすい優先劣後方式を採用
高利回りを実現する配当ポリシー
COZUCHIが過去に取り扱った不動産クラウドファンディング案件では、特に物件の売却益を狙うキャピタルゲイン型の案件において、予想利回りを実績利回りが大きく上回ったものが少なくありません。その理由として挙げられるのが、COZUCHIの特徴である「リターンの上限を設けない配当」というポリシーです。
キャピタルゲインを狙う不動産クラウドファンディングでは、ときに募集時の想定よりも高く不動産を売却できることがあります。しかし、不動産クラウドファンディングサービスでは、優先出資者に優先的に配当する代わりに配当利回りに上限を設けているのが一般的です。そのため、想定を大きく上回る売却益を得たとしても、優先出資者である一般投資家には利益の一部しか配当として支払われないことがあります。
一方、COZUCHIでは「リターンの上限を設けない配当」ポリシーにより、優先出資者にも公平に利益を分配します。これが、COZUCHIの実績利回りが予想利回りを大きく超えることが多い理由です。
運用中でも資金を引き出し可能
不動産クラウドファンディングサービスでは一度投資を始めたら、投資期間が終了するまで自分の都合で出金できないのが一般的です。しかし、COZUCHIでは緊急の資金ニーズが発生した場合に備えて、原則としていつでも換金できる仕組みがあります。換金には所定の事務手数料がかかるなどの条件がありますが、もしものときに投資資金を引き出す方法があるのはCOZUCHIのメリットです。
投資資金が守られやすい優先劣後方式
COZUCHIでは不動産クラウドファンディング案件において、原則として優先劣後方式を採用しています。優先劣後方式では、不動産クラウドファンディング案件の一部にサービス事業者も出資し、投資家を優先出資者、サービス事業者を劣後出資者とします。ここでのポイントは、優先出資者は配当の分配などで優先権がある一方で、損失が発生した場合は劣後出資から損失を負担することです。
したがって、COZUCHIの不動産クラウドファンディング案件で損失が発生した場合、まずは劣後出資者であるCOZUCHIが損失を負担するため、優先出資者である投資家の資金は守られやすいといえます。
デメリット
COZUCHIを利用する際、デメリットとしておさえておきたいポイントを3つ解説します。
- 運営会社のLAETOLI株式会社は非上場
- 高利回りである分、リスクが高い案件が多い
- 運用中の換金には手数料(3〜5.5%)が必要
運営会社のLAETOLI株式会社は非上場
COZUCHIを運営しているLAETOLI株式会社は上場していません。不動産クラウドファンディングが比較的新しいサービスということもあり、サービスを運営している会社の信頼性は特に重要です。しかし、決算情報の開示が義務付けられている上場企業に対して、非上場企業では一般的に入手できる情報が限られます。不動産クラウドファンディングのサービス事業者のなかには上場企業やその関連会社もあるため、それらと比較すると、非上場であLAETOLI株式会社は経営状況も含めた会社の状況を把握しづらいのはデメリットといえます。
また、COZUCHIは不動産特定共同事業法の2号事業者であり、プロジェクトで取り扱っている不動産は同じ不特法の1号事業者から仕入れ・運営をしています。現在、COZUCHIの主な仕入先はTRIAD株式会社ですが、同社も非上場であるため、その決算状況などを詳しく知るのは難しい状況にあります。(今後、仕入先事業者が変わる可能性あり)
高利回りである分、リスクが高い案件が多い
COZUCHIが取り扱っている不動産クラウドファンディング案件は、想定利回りが10%を超えるような高利回りのものが少なくありません。高利回りは魅力的ではありますが、リスクとリターンにはリターンが大きいほどリスクも大きいという関係があります。COZUCHIの不動産クラウドファンディング案件も同様で、高利回りである代わりにリスクが高い案件が多いことには注意が必要です。
COZUCHIが取り扱っている不動産クラウドファンディング案件のうち、特にリターンが高い傾向にあるのが不動産売却によるキャピタルゲインを狙うものです。これらの案件をよく見ると、ひとつの建物に多くの所有者がいるような、利害関係者が多く、売却するのに越えるべきハードルが高い案件も含まれています。このような物件は関係者全員を説得することに失敗すれば最悪の場合、売却できない可能性もあるため、リスクが高いとされます。
COZUCHIでは、これまでに元本割れや配当遅延などを起こしたことはありません。しかし、不動産クラウドファンディングも投資である以上、常にリスクが存在することには注意しましょう。
運用中の換金には手数料(3〜5.5%)が必要
COZUCHIのメリットのひとつとして運用中の資金を引き出せることを紹介しましたが、換金の際の事務手数料として3〜5.5%が資金から引かれます。実質的に、途中換金すると元本割れすることになると考えられる点はデメリットといえるでしょう。COZUCHIの換金制度は便利なシステムではありますが、利用はあくまでも緊急時のみとするのがおすすめです。
COZUCHIの評判・口コミ
ここでは、実際にCOZUCHIで投資している方の評判や口コミを紹介します。COZUCHIの評判としては
- 利回りが高い
- 先着式はすぐに募集が締め切られてしまう
という意見がありました。
先着式の案件に応募した方の口コミです。COZUCHIは魅力的な案件が多いため、先着式は早く締め切られてしまうこともあります。
COZUCHIでは、想定されている利回りをさらに上回る利回りを実現する案件も少なくありません。この口コミからも高い利回りに期待して投資する方が多いことが分かります。
過去に募集されたプロジェクトの例
2019年のサービス開始以来、COZUCHI(旧WARASHIBE)は40件以上の案件を成立させてきましたが、元本割れや配当遅延は一度もありません。また、募集時の想定利回り(年利)を大きく上回る実績を残すことも多いため、人気のある不動産クラウドファンディングサービスです。ここでは、高い実績利回りを記録したプロジェクトや大規模プロジェクトなど、COZUCHIのサービスの特徴がわかる代表的なプロジェクト(運用中のものも含む)を3つ紹介します。
武蔵関マンションプロジェクト(実績利回り283.5%)
西武新宿線の線路に隣接するマンションのプロジェクトです。高架化に伴う再開発のために収用されたことにより、当初の予想利回りを大きく上回る283.5%の利回りが実現しました。

https://recrowdfunding.lifull.jp/fund/p2857/
ステータス | 運用終了 |
運用期間 | 2021年5月15日〜2021年5月27日(12日) |
募集金額 | 55,000,000円 |
利益の種類 | キャピタルゲイン |
優先劣後出資比率 | 優先61.1%:劣後38.9% |
物件種別 | 共同住宅、倉庫 |
想定利回り(募集時) | 年12% |
実績利回り | 283.5% |
相模原 リニア開発プロジェクト(有名な大規模開発プロジェクト関連)
リニア新幹線開発に伴う残土の受け入れ地として、中長期的なインカムゲインが期待できる土地を対象としたプロジェクトです。知名度の高い大規模開発プロジェクト関連で安心感があります。

https://recrowdfunding.lifull.jp/fund/p6059/
ステータス | 運用中 |
運用期間 | 2022年1月30日〜2023年1月30日(1年を予定) |
募集金額 | 675,000,000円 |
利益の種類 | インカムゲイン |
優先劣後出資比率 | 優先90.0%:劣後10.0% |
物件種別 | 土地 |
想定利回り(募集時) | 年7.5% |
実績利回り | – |
代々木公園 事業用地プロジェクト(募集金額36億円を3時間で達成)
代々木公園駅至近の大規模事業用地が対象のプロジェクトです。COZUCHI過去最大となる募集金額36億円を3時間で集めることに成功しました。

https://recrowdfunding.lifull.jp/fund/p7049/
ステータス | 運用中 |
運用期間 | 2022年6月6日〜2023年6月5日(1年を予定) |
募集金額 | 3,600,000,000円 |
利益の種類(内訳) | キャピタルゲイン(9.90%)、インカムゲイン(0.10%) |
優先劣後出資比率 | 優先77.4%:劣後22.6% |
物件種別 | 病院 |
想定利回り(募集時) | 年10% |
実績利回り | – |
まとめ
不動産クラウドファンディングサービスのひとつであるCOZUCHIについて、サービスの概要や特徴、評判などを解説しました。LAETOLI株式会社によって運営されているCOZUCHIは、独自の配当ポリシーにより高利回りとなる案件が多いことや運用中でも資金を引き出せるなどのメリットがあります。しかし、高利回り(ハイリターン)が期待できる代わりにハイリスクな案件も少なくないことや運用中の換金には所定の手数料がかかることはデメリットであり、注意が必要です。
COZUCHIは過去の実績などから、大型のプロジェクトでもすぐに目標額が集まるような人気のサービスです。この記事がCOZUCHIのサービスについて理解を深めるきっかけになれば幸いです。

LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部
金融分野全般に視野が広いライターと、不動産クラウドファンディングに精通した校閲メンバーにて構成。投資家目線のわかりやすい記事を届けることをモットーに、不動産クラウドファンディングを中心とした投資お役立ち情報をお届けします。