【低リスクの資産運用法5選】メリットやリスク・失敗しないコツも紹介

LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部です。
低リスクで資産運用をするには、どのような方法があるのでしょうか。投資は難しいと感じる人も多いかと思いますが、リスクが低めの商品を使った運用であれば、だれでも取り組みやすいのでおすすめです。
投資初心者の人、投資に不安を感じる人、投資でストレスを感じたくないという人は、まずは低リスクの運用を始めてみましょう。
この記事では、低リスクの資産運用についてくわしく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- 低リスクの資産運用とは?
– 低リスク商品には値動きがないものもある - 低リスクの資産運用で選ぶべき運用方法や商品は?メリットとリスク
– 株式
– 投資信託
– 債券
– 不動産 - 低リスク投資で失敗しないコツとは?
– 少額から始める
– 価格が下がってもやめない
– 自分のリスク許容度を見極める - 不動産クラウドファンディングも低リスク投資におすすめ
- まとめ
低リスクの資産運用とは?
低リスクの資産運用とは、さまざまな投資商品の中から、リスクが比較的低いものを使って運用することをいいます。それでは、「リスクが低い」とはどのような意味なのでしょうか。
投資におけるリスクとは、単に「危険」という意味ではなく、損失を被る可能性のことをいいます。
リスクが高いということには、まず、値動きの幅が大きいことがあります。逆に、値動きの幅が小さく、上下どちらにも動きにくい商品はリスクが低いといえます。
例えば、プラス(利益)側に30%振れる可能性がある商品であれば、逆に同じくらいのマイナス(損失)が出る可能性があると考えます。これは、値動きの幅が大きいため、リスクが高い商品といえます。
それに対して、リスクが低い商品は、プラス側、マイナス側どちらへの振れ幅も少ない商品、つまり値上がり・値下がり幅が少ない商品のことをいいます。例えば、期待できる利益が5%の場合は、値下がり幅も5%ほどにとどまる可能性が高い、というイメージです。
このように、値動きの幅が大きい商品は、高いリターンを期待できる反面、大きな損失を出すリスクがあります。
逆に、期待リターンがそれほど高くない場合は、損失も低く抑えられる可能性が高くなります。
リスクが低い資産運用をしたい場合は、値動きの幅が小さい「低リスクの投資商品」を選ぶことが大切です。
低リスク商品には値動きがないものもある
「低リスク」と見なされる投資商品のなかには、国債などの債券のように、途中は値動きがあっても満期になると元本が償還されるような商品もあります。また、不動産クラウドファンディングのように定期的に分配金を受け取れて、値動きもなく、満期には元本が償還されるような仕組みの商品もあります。
このように、満期に償還されるような商品であれば、将来どれくらい資金が戻ってくるのかという見通しが立つため、リスクをできるだけ抑えて資産運用をしたい人に向いています。
ただ、債券も不動産クラウドファンディングも、基本的には満期に元本が償還されるものの、元本保証商品ではないことを覚えておきましょう。
低リスクの資産運用で選ぶべき運用方法や商品は?メリットとリスク
低リスクで資産運用をするには、具体的にどのような商品でどのような商品を選べば良いのでしょうか。
一般的な資産運用方法は5つあり、リスク度合いは以下のようになっています。
それぞれの運用方法のなかでリスクが低い商品を以下のようにまとめました。
運用方法 | 低リスクの投資商品 |
---|---|
株式 | 配当が高い株式・電力株など |
投資信託 | バランス型投資信託 |
債券 | 国債・地方公共債・高格付けの社債 |
不動産 | REIT不動産クラウドファンディング |
それでは、それぞれの資産運用方法と、低リスクの投資商品についてくわしく説明します。
株式
株式投資とは、企業が発行した株式を購入し、配当金を受け取りつつ、値上がり時には売って売却益を得ることもできる運用方法です。
企業は株式を発行することで、市場から直接資金を集めます。投資家は、購入したときよりも高い価格で株を売ることで、売却益を得られます。
株式投資のメリット
株式投資のメリットは、投資した企業が成長すれば大きな利益が期待できることです。将来性が高い企業に長期投資をすることで、株価が2倍、3倍になる可能性もあります。
また、配当がある企業の株を保有していると、定期的に配当も受け取れるというメリットもあります。
株式のリスク
株式に投資するうえで値動きよりも大きなリスクは、企業の倒産リスクです。企業が債務不履行に陥ったり倒産したりした場合は、株式の価値が限りなくゼロに近くなるため、投資資金がなくなってしまうこともあります。
企業にとって悪いニュースが出たときは、株価が急に下がる場合もあるため注意が必要です。
株式に投資する場合は、以下のような株価の値動きに与える要素を理解し、日頃から情報を調べたり決算情報を確認するようにしましょう。
株価が上がる主な要素 | 株価が下がる主な要因 |
---|---|
・決算内容が良い ・新製品などのニュース ・業績予想の上方修正 ・大企業や業績良好な企業との提携 ・増配(配当が増えること) ・自社株買い ・株主優待 | ・決算内容が悪い ・業績予想の下方修正 ・不祥事など悪いニュース ・外部環境の悪化 ・減配 ・増資(株式の希薄化) |
このように、株式は値動きの幅が比較的大きいこと、株価がさまざまな要素に左右されることから、銘柄選びを慎重に行う必要があります。また、情報収集などの手間もかかります。
低リスクの資産運用をしたい人は、値動きが比較的小さい、他の投資商品がおすすめです。
どうしても株式で運用したいという場合は、株式の中でも比較的値動きが小さい株(電力株など)を検討しましょう。
株式に投資する方法
株式に投資するには、証券会社で口座をつくる必要があります。その口座に入金をして売買注文を出して株を購入する流れです。証券会社の口座開設には一定の時間がかかりますので、早めに申し込みをするようにしましょう。
投資信託
投資信託とは、投資家からまとまった資金を集めて、それを専門家に運用してもらう商品のことをいいます。投資信託ごとにテーマ、取り扱う投資商品種別が異なり、また運用を委託する際の手数料も異なります。
どの企業に投資すれば良いのかわからないという人、投資のプロに自分のお金を運用してもらいたいという人は、投資信託を購入して、運用会社に運用を任せることもひとつの方法です。
投資信託のメリット
投資信託を購入するメリットは、以下の2点です。
・少ない資金で投資できる
・分散投資ができる
通常、株式投資にはまとまった資金が必要ですが、投資信託は1万円から購入できるというメリットがあります。
また、分散投資ができるところも、投資信託の魅力です。
分散投資とは、複数の投資商品に投資することで、投資リスクを低くすることをいいます。
例えば、80銘柄に投資している投資信託であれば、この投資信託を1万円購入するだけで80種類の株式や債券に分散投資していることになります。
自分で複数の銘柄に投資するには、ある程度まとまった資金が必要ですが、投資信託を活用することで少額でも簡単に分散投資ができます。
投資信託のリスク
投資信託は株式のように値動きがあるため、元本割れするリスクがあります。
購入したときよりも高い金額で売却できれば、利益が出ますが、逆に低い金額で売却した場合は、損失が出るため注意が必要です。
例えば、設定の際の価格が10,000円の投資信託を10,000円分購入したとします。もしも基準価格が13,000円のときに投資信託を売却すれば利益が出ます。
逆に、9,500円に値下がりしたタイミングで売却をすれば、売却損が出るため、投資資金が元本割れしてしまうことになります。
少額から投資でき、分散投資できることがメリットですが、値動きがある商品のため、元本割れリスクがあることを覚えておきましょう。
投資信託に投資する方法
投資信託が購入できる金融機関は以下となっており、銀行などでも購入できます。
- 総合証券会社
- ネット証券会社
- 銀行
- 郵便局
- 信用金庫
- 保険会社
証券会社を利用する場合は、株式投資のときと同じように口座開設をして入金し、投資信託を購入します。
銀行や信用金庫は、まず普通預金口座および投資信託の取引口座を開設して、その後に申し込みをする流れです。
預金口座・投資信託口座の両方を開設済であれば、インターネットバンキングなどを通じて、ネット上から注文できる銀行もあります。
債券
債券とは、国や政府、企業などが、投資家からお金を借りるために発行する有価証券のひとつです。国が発行する債券は「国債」、地方公共団体が発行するものは「地方債」、企業が発行するものは「社債」と呼ばれます。
債券は、株式とは違って「満期日」があり、満期日には額面価格で償還されることが約束されています。そのため、株式や投資信託よりも低リスクであり、計画的な資産運用に向いています、
債券に投資するメリット
債券に投資するメリットは、以下の2点です。
・定期的に利子を受け取れること
・満期まで保有すれば額面価格で償還されること
例えば5年満期・年率0.05%の国債を発行時に100万円購入した場合は、半年ごとに500円(税引き前)の利子を受け取れます。そして、5年後の満期日には100万円がもどります。
このように定期的に利子を受け取りながら、償還日には手元にお金が戻る(償還される)ことが債券投資のメリットです。償還金額が事前にわかるため、投資計画も立てやすくなっています。
利率は債券の種類によって変わります。国債は利率が非常に低くなっていますので、多くの利子を受け取りたい場合は、社債を検討しましょう。例えば、近年発行されたトヨタ自動車の社債は5年で利率が年0.6%、日産自動車の社債は5年で年1.9%です。このように、発行企業の規模や信頼性によって利率が変わるため、発行企業や利率を総合的にみて、投資する社債を決めるとよいでしょう。
債券投資のリスク
債券投資のリスクは、以下の2点です。
・債券の発行元が倒産した場合、債券の価値が限りなくゼロになってしまうこと
・値動きがあるため満期になるまでの間に売却すると、損失が出る可能性があること
債券は満期がくると、発行体(国や企業など)が償還を行います。しかし、企業の経営状態が悪いと投資家が保有する債券を買い戻せないため、現金化できないケースもあります。
発行企業が倒産すると株式の価値が限りなくゼロになりますが、債券の価値も株に準じて、紙切れ同然になる可能性があることを覚えておく必要があります。
また、債券は満期に償還されることが決まっていますが、発行から満期までの間には値動きがあります。発行価額が100円の債券は満期時に100円で償還されますが、満期までの期間は98円になったり、101円になったりして、価格が変動します。
そのため、満期までの期間に売却する場合には、損失が出ることもあります。
満期まで保有すれば100円で償還されますので、満期まで持つことを考えて債券投資をしましょう。
債券に投資する方法
債券を購入できる場所は、証券会社や銀行、信用金庫などの金融機関です。まずは口座を開設して入金し、債券を購入します。後は、満期まで保有しておくだけで、口座に定期的に利息が入金されます。また、満期には元本が償還されて口座に入金されます。
不動産
不動産投資とは、マンションなどの不動産を購入して、賃貸料収入を得たり、不動産の売却益を得る投資法です。
株や債券の投資リターンは、発行体の経営状態に依存しますが、不動産投資は「現物資産である、不動産」を実際に購入するため、株や債券のように「価値が紙切れ同然になる」ということがありません。
いったん賃貸不動産を購入して貸すと、空室にならない限りは定期的に賃料が得られます。このようなことから、不労所得を得る方法としても、不動産投資は注目されています。
また、多くの人が読んだことがあるであろう1997年発行の「金持ち父さん、貧乏父さん」という本の中でも、不動産投資の有効性が語られており、このころから不動産投資を行う個人も増加しました。
近年では、REITは不動産クラウドファンディングなど、さまざまな不動産投資法があることから、個人が少額から不動産に投資しやすい環境も整ってきています。
不動産投資のメリット
不動産投資のメリットは、以下の2点です。
・個人や法人に貸して賃貸料を得られること
・不動産の売却益を期待できること
例えば、3,000万円のマンションの一室を購入して賃貸に出して毎月12万5,000円、年間150万円の賃貸料を得た場合、不動産投資の利回りは150÷3,000×100=5で、5%になると考えます(不動産管理費用などは除く)。
このように、不動産投資は、空室率によって得られる賃貸料が上下するものの、比較的安定した収入を得られるというメリットがあります。また、不動産の価格が上がった場合は不動産売却益も期待できます。
不動産投資のリスク
不動産投資の主なリスクは、以下の2点です。
・最初にまとまったお金が必要になること
・不動産価格が下落すると大きな損失が出る可能性があること
個人の投資家にとって、不動産購入資金は大きな問題です。アパート一棟、マンションの一室、ビル一棟など、投資する不動産の単位にもよりますが、最低でも数千万円単位の資金が必要になります。
ただ、近年は「不動産小口化商品」と呼ばれる、高額な不動産を小口化して少額から投資できるようにした商品もあり、個人が気軽に不動産に投資できるようになっています。不動産の運用益は、分配金として定期的に受け取れる仕組みです。
例えば、不動産投資信託であるREITは数万円から、不動産クラウドファンディングであれば、1万円から投資できます。
借金をせずに、自分が持っている資金の範囲内で不動産投資をしたいという人には、少額から投資できるREITや不動産クラウドファンディングもおすすめです。
もうひとつのリスクは、不動産価格が下落すると、不動産売却損が出る可能性があることです。例えば、3,000万円で購入した不動産が2,900万円になれば、100万円の損失が出ることになります。
ただ、不動産小口化商品である不動産クラウドファンディングであれば、「優先劣後方式」という投資家のリスクを低くする仕組みもあります。
不動産投資を検討するときには、現物不動産だけではなく、不動産クラウドファンディングのように少額から投資ができて、投資家の損失を防ぐような仕組みがあるものも検討してみましょう。
不動産に投資する方法
不動産に投資する方法としては、以下の3つです。
投資対象 | 購入方法 |
---|---|
現物不動産 | 不動産会社を介して購入する |
REIT | 証券会社や銀行などで口座を開設して購入する |
不動産クラウドファンディング | 不動産クラウドファンディングサービスで口座を開設してファンドに出資する |
不動産クラウドファンディングサービスの口座開設は、すべてインターネット上で完結するため、とても簡単です。
低リスク投資で失敗しないコツとは?
低リスク投資は、投資初心者の人や、落ち着いて資産運用をしたい人におすすめです。そして、低リスクの運用に加えてさらに3つのコツを意識することで、投資がうまくいく確率が高まります。
投資で失敗しないコツは、以下の3点です。
・少額から始める
・価格が下がってもやめない
・自分のリスク許容度を見極める
少額から始める
まず、資産運用を始めるときには、少額から始めることが大切です。株式はある程度の金額になりますが、投資信託や不動産クラウドファンディングは1万円から投資できますので、無理のない金額から始めるようにしましょう。
価格が下がってもやめない
株式や投資信託、REITは値動きがあるため、購入したときよりも価格が下がることがあります。しかし、長期投資ではどのような市場環境でも続けることが大切です。
長期投資をする場合は、たとえ価格が下がって損をしている状態であっても、やめずに運用を続けるようにしましょう。
自分のリスク許容度を見極める
投資にはハイリスク・ハイリターンのものから、ローリスク・ローリターンのものまで、さまざまな方法があります。
投資をするときには、落ち着いて投資ができるものを選ぶことが大切です。リスク許容度は人によって異なり、5%の値下がりで大きなストレスを感じる人もいれば、20%価格が下がっても、落ち着いていられる人もいます。
資産運用で大切なのは、平常心を保ちながら、長期運用をすることです。値動きによるストレスを避けたいという人は、債券や不動産クラウドファンディングなど、満期になれば償還されるような商品を検討しましょう。
不動産クラウドファンディングも低リスク投資におすすめ
できるだけ投資のリスクを低くするには、値動きがないものや、満期になったら元本が償還されるものがおすすめです。
不動産クラウドファンディングは、最初にファンドに投資をすると満期まで保有しているだけでよく、投資の手間がかからないことや、少額から始められることから、リスクが低い投資法といえます。
平均的な利回りは2~8%となっており、定期的に分配金を受け取れます。また、さまざまなファンドがあるため、自分の考えに合ったものを自由に選べることも魅力です。
不動産クラウドファンディングの仕組みについては、以下の記事も参考にしてください。
不動産クラウドファンディングとは?仕組みやメリット・他の不動産投資との違いを解説
不動産クラウドファンディングの優先劣後方式とは?おさえておきたい投資家のリスク回避の仕組み
まとめ
低リスクで資産運用をするには、値動きの幅が少ないものや、満期に元本が償還されるようなものは、落ち着いて投資ができるためおすすめです。
また、いきなり大きな金額から始めるのではなく、少額から始めることも、投資を成功させるコツです。
低リスク投資にはさまざまな方法がありますので、ぜひ自分に合ったものを見つけてみてください。

LIFULL 不動産クラウドファンディング編集部
金融分野全般に視野が広いライターと、不動産クラウドファンディングに精通した校閲メンバーにて構成。投資家目線のわかりやすい記事を届けることをモットーに、不動産クラウドファンディングを中心とした投資お役立ち情報をお届けします。