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初心者向け 2021.11.19

不動産クラウドファンディングの市場規模はどれくらい?募集案件数が多いサービスも紹介

不動産クラウドファンディングは人気がある不動産投資手法のひとつですが、どれくらいの人が利用していて、市場規模はどれくらいあるのでしょうか。不動産クラウドファンディングの認知度は高いのか、数年前と今を比べて、市場がどれくらい成長しているのかが気になりますね。

この記事では、不動産クラウドファンディングの市場規模や将来性、募集案件数が多いサービスについて、くわしく解説します。

不動産クラウドファンディングとは

不動産クラウドファンディングとは、インターネットを通じて少額から簡単に不動産に投資ができる手法のひとつです。実際に不動産を所有しなくても、家賃収入や不動産売買益などの利益を「分配金」として受け取れること、1万円という少額から投資できること、満期まで保有すればよく、売買などの手間がかからないことから、手軽に不動産投資を始めることができる方法として注目を集めています。

近年の日本では低金利が続いており、銀行預金ではお金を増やすことが難しくなっています。しかし、年金2,000万円問題などもあり、個人がそれぞれに資産を運用して、少しでも資産を増やさなければならないという時代でもあります。

そのような中、不動産に少額から投資でき、分配金を得られる不動産クラウドファンディングに注目が集まっています。不動産クラウドファンディングは「比較的低リスクで、資産運用ができる方法」として認知が広がりつつあり、それに比例して、不動産クラウドファンディング市場の規模も、年々拡大しています。

不動産クラウドファンディングのメリット

不動産クラウドファンディングで不動産投資を行うメリットは、とても簡単に不動産投資ができるということです。

投資手順はとても簡単で、不動産クラウドファンディングサービスに掲載されているファンドに申し込みをして入金をするだけです。入金すると、不動産クラウドファンディング事業者を通じて不動産に投資をしたことになります。事業者はそのお金を使って不動産を賃貸、あるいは取得して実際に不動産運用を行います。そして、その不動産運用益が「分配金」として投資家に還元される仕組みです。

一般的には、不動産投資にはまとまった資金が必要ですし、不動産の登記の費用や、不動産管理の手間などがかかります。しかし、不動産クラウドファンディングを活用した不動産投資の場合は、1万円から出資できるため、多額の元手は必要ありません。また、事業者にすべて任せることができるため、不動産管理の手間もかかりません。

このように、手間なく少額から不動産に投資できることが、不動産クラウドファンディングの魅力となっています。

不動産クラウドファンディングの市場規模

クラウドファンディングには「購入型」「寄付型」「不特法型」「融資型」「株式型」の5種類がありますが、一般社団法人 日本不動産クラウドファンディング協会の調査結果によると購入型や寄付型、不特法型の市場は、2017年から継続して右肩上がりに伸びています。

不特法型の不動産クラウドファンディングの年度別の募集総額は以下となっています。(ただし、2021年は1月~7月までの集計)、

年度募集総額
2018年1,262,740,000円
2019年5,494,140,000円
2020年9,273,040,000円
2021年(1月~7月まで)11,453,590,000円
※LIFULL不動産クラウドファンディング編集部調べ

このグラフから、不動産クラウドファンディングを活用した不動産投資が年々活発になっていることがわかります。

このデータによると、2021年の1月~7月の時点で、すでに前年度の2020年の募集総額を超えており、2021年度の募集総額は、前年度よりもかなり大きくなることが予想できます。

それでは、不動産クラウドファンディングの市場規模が拡大している理由には、どのようなものがあるのでしょうか。

不動産クラウドファンディング市場が拡大している3つの理由

不動産クラウドファンディング市場が拡大している理由は、主に三つ考えられます。一つ目は、「不特法の改正」、二つ目は「上場企業の不動産クラウドファンディングへの参入」、そして三つ目は「不動産クラウドファンディングの情報の透明性による、投資のしやすさ」です。

それでは、それぞれの理由についてくわしくみていきましょう。

不動産特定共同事業者法の改正

不動産クラウドファンディングが活発になったきっかけの一つは、不動産特定共同事業法(不特法)の改正です。不動産特定共同事業法(不特法)とは、平成7年に施行された法律で、不動産特定共同事業に出資する投資家の保護と、不動産特定事業の発展を目的とし、投資家が参加しやすいような環境づくりを後押しする内容になっています。

不特法の2度にわたる改正により、事業者の参入要件が緩やかになったため、不動産特定事業法に基づいて不動産に投資するファンドが多く生まれました。また、不動産クラウドファンディングの契約前の書類や契約書類がすべてインターネット経由で公布できるようになったため、ファンドへの申し込みから入金、分配金の受け取り、償還まですべてインターネット上で完結できるようになりました。

このように、不動産特定共同事業法の改正により、「不動産クラウドファンディングの分野に多くの事業者が参入できるようになったこと」「投資家保護が進み、安心して投資できる環境が整えられたこと「インターネットを通して簡単な手順で投資できるようになったこと」が、不動産クラウドファンディング市場の拡大につながったと考えられています。

上場企業の不動産クラウドファンディングへの参入

不動産クラウドファンディングに上場会社や、規模が大きな企業が参入していることも、不動産クラウドファンディングの知名度や信頼性の向上に寄与していると考えられます。

不特法改正が行われたことにより、不動産クラウドファンディング事業への参入のハードルが低くなり、資本金が比較的少ない中小企業であっても不動産クラウドファンディング事業者として参入できるようになりました。しかし、近年はこれらの中小企業に加えて、資本金が非常に大きな上場企業、もしくは上場企業の子会社なども不動産クラウドファンディング市場に参入してきています。

このように、規模が大きく不動産関連事業の実績がある会社が参入することにより、不動産クラウドファンディングの業界全体が活性化したと考えられます。また、投資家の不動産クラウドファンディング事業全体に対する信頼感も高まりますし、安心して投資しやすくなると期待されています。

投資のしやすさ

不動産クラウドファンディングは投資対象不動産に関するさまざまな情報が公開されているため、初心者でも投資がしやすいという特徴があります。。

不動産クラウドファンディングの案件情報には、投資対象となる不動産の住所や物件の築年数、外観の写真など、多くの情報が開示されています。そのため、投資家はさまざまな情報をもとに、自分自身で投資するかどうかを判断できます。

例えば、募集案件の所在地が開示されていることにより、同じような場所にある物件の利回りと募集案件の想定利回りを比較し、収益が妥当かどうかを計算することができます。また、立地を地図で確認し、人流が多い場所か、稼働率が高く保てそうか等、自分自身で複数のポイントを確認したうえで、投資したい物件を選べるというメリットがあります。

このように、不動産クラウドファンディングでは投資対象不動産に関する情報が多く開示されていて自分自身で検証できるため、納得した投資が可能となります。情報量が多く安心して投資ができることも、不動産クラウドファンディングへの投資が増えている一因であるといえます。

アメリカの不動産クラウドファンディング市場規模と将来性は

日本では、不動産クラウドファンディングの市場規模は伸びていますが、クラウドファンディング先行国であるアメリカでは、どれくらい活発に投資が行われているのでしょうか。ここでは、アメリカや世界の不動産クラウドファンディング市場規模について、くわしく解説します。

世界の不動産クラウドファンディングの市場規模

ゴワ―教授の研究によると、世界のクラウドファンディングの市場規模は、2019年では約9兆2000円となっており、2021年には約12兆5,000円に達すると予想されています。そのうち、不動産クラウドファンディング市場の規模は2000年に約9,000億円と推計され、地域別にみると、北米市場が4割を占め、次に欧州市場が33%を締めています。また、2027年には不動産クラウドファンディング市場の規模は約1兆5,000億円規模に達すると見られています。

日本の不特法型不動産クラウドファンディング市場の規模が、2020年度で約92億円(LIFULL不動産クラウドファンディング編集部調べ)であることを考えると、世界の不動産クラウドファンディング市場がどれだけ大きいかということがわかります。また、世界の中でも、北米市場の占める割合が一番大きいことから、アメリカで不動産クラウドファンディングが発達していることがわかります。

アメリカの市場規模が大きい理由として、不動産投資のパフォーマンスの良さが挙げられます。例えば、アメリカの中古住宅市場は日本の約40倍と成熟しており、適正なメンテナンスが行われることで中古住宅の資産価格が維持されているという特徴があります。アメリカでは中古住宅も良い投資対象とされていることで、不動産投資のマーケット規模が大きくなっています。

また、アメリカの持ち家比率は2004年をピークに減少が続いており、賃貸志向へシフトする流れが続いています。実際に、アメリカの集合住宅(マンション)の価格は、約20年間で約2.5倍に上昇しており、賃貸住宅への投資が優れたパフォーマンスを達成しています。このようなことから、不動産投資に魅力を感じる人が多く、不動産クラウドファンディングへの投資も活発に行われています。

また、アメリカでは日本よりも、より少額から不動産投資が可能となっていることも、不動産クラウドファンディング市場が成長している理由のひとつと考えられます。日本では不動産クラウドファンディングへの最小投資金額は1万円

ですが、アメリカでは5ドルから投資が可能です。

このような背景から、アメリカには多くの不動産クラウドファンディング事業者が活発にサービスを提供しています。大手の不動産クラウドファンディング事業者としては、「FUNDRISE」や「REALTY MOGUL」などが挙げられます。実績はFUNDRISEで約8%~約12%、REALTY MOGULで約4%~7%となっており、高い利回りが人気となっています。

日本でも不動産クラウドファンディング市場規模は拡大傾向にあり、2021年度の半年分の実績は、2020年度の半年の募集実績をすでに超えています。日本の市場規模はアメリカに比べるとまだまだ小さいものの、将来性が高く、大きな伸びしろがあると考えられます。

明暗を分ける事業者のポイント

アメリカでは、不動産クラウドファンディング人気の高まりもあり、数多くの不動産クラウドファンディング事業者が活発に事業を行っています。しかし、以前は多くの出資を集め、活発にファンドを募集してきた事業者であっても、倒産したり、買収されたりして表舞台から消えるような事態も起きています。それでは、不動産クラウドファンディング事業者の明暗を分けたポイントは、何なのでしょうか。

アメリカの事例を見ると、今後の明暗を分けるのは、テクノロジーの有無と考えられます。効率的なシステムを導入したり、自動化できるところはAIなどを使って人件費を抑えたりする、というような、最先端の仕組みをプラットフォーム運営に導入できるかどうかが鍵となっているようです。

例えば、テクノロジーを導入しない運営を続けていると、投資不動産や投資家が増えるたびに、人を増やさざるを得なくなり、運営コストが上昇します。その結果、不動産クラウドファンディング事業者そのものの業績が悪化して信頼性が低下し、出資も集まらなくなるという悪循環に陥る可能性もあります。

実際に、アメリカの不動産クラウドファンディングサービス「Realty Shares」は、収益性が低いことがマイナスととらえられて資金調達ができず、破綻してしまいました。それに対して「FUNDRISE」では、顧客が利用するダッシュボードにさまざまなツールを用意してテクノロジーを効果的に活用し、顧客数を増やしています。

このようなことを踏まえると、新しい技術を導入して、低コストの運営ができているかどうかは、今後日本でもサービス選びのポイントになってくるといえそうです。

STOの導入で不動産クラウドファンディングのデメリットを解消

アメリカでは、低コストのためのAI技術などに加え、今後は不動産クラウドファンディングのプラットフォーム(投資の仕組み)に、STOが導入されていくだろうと予測されています。STOとは「セキュリティ トークン オファリング」の略で、不動産クラウドファンディングにおいてはブロックチェーン技術を用いてデジタル化された「デジタル証券(セキュリティトークン)」を活用し二次売買を実現するスキームのことをいいます。

不動産クラウドファンディングでは、投資をするとファンドによっては満期まで保有しなければならず、運用途中で現金化できない可能性があることがデメリットのひとつでした。しかし、STOの導入により、自分の権利を売買できるようになると流動性が生まれ、権利の現金化もしやすくなると考えられます。

また、価値が高い権利は、投資したときよりも、より高い価格で売れる可能性もあります。STO導入により、権利を売買できる市場が生まれることから、より利便性が高まり、投資をする人も増えると考えられます。

「売りたいときに売れない」ということが不動産クラウドファンディングのデメリットではありますが、STOを導入している不動産クラウドファンディングサービスでは、このデメリットが今後解消されていく可能性があります。例えば、運用期間中に売買ができたり、必要に応じてすぐに現金化できるようになれば、投資家にとっての利便性が高まり、より多くの人が不動産クラウドファンディング投資を行いやすくなります。

実際、不動産クラウドファンディング市場が大きく、不動産クラウドファンディングへのテクノロジー導入が進んでいるアメリカでは、ニューヨークのマンハッタン・イーストビレッジに高級コンドミニアムがSTOにより建設されたことが話題となりました。

物件の価値を証明するセキュリティトークンを投資家が受け取る仕組みとなっており、投資家から約32億円の資金をスムーズに集め、物件を完成させています。

このように、アメリカでは実際にSTOを活用した例が増えてきており、今後もその流れは加速すると考えられています。

募集案件が多く投資しやすい不動産クラウドファンディングを紹介

不動産クラウドファンディングに投資するときには、まず不動産クラウドファンディングサービスを選び、掲載されているファンドに申し込んで入金する、といった流れになります。

ただ、不動産クラウドファンディング市場の拡大にともなって事業者の数も増えてきているため、どのサービスを選べばよいか迷ってしまうという人も多いのではないでしょうか。

不動産クラウドファンディングでは、高い利回りのファンド申込みが殺到し、競争率が高くなる傾向があります。また、少ない募集案件数に多くの申込みがあると、先着順や抽選に漏れてしまい、なかなか投資ができないという場合もあります。

このような場合でも、募集案件数の多い不動産クラウドファンディングサービスで申込をすることで、投資できる確率を高めることができます。

不特法に基づく不動産クラウドファンディングサービスの中で、2021年1月~7月の半年間で、募集件数が多いものは以下となっています。

サービス名募集件数募集金額(2021年1月~7月)
FANTAS funding
(ファンタスファンディング)
26件4億3,120万円
COZUCHI
(コヅチ)
13件13億3,300万円
CREAL
(クリアル)
13件38億3,664万円
大家.com
(おおやドットコム)
11件5億1,37万円

上記の不動産クラウドファンディングサービスでは、どれも不特法に基づいて運営されています。今後は案件数ももっと増えてくると予想されています。

自分の考えに合った不動産クラウドファンディング事業者やファンドを見つけ、ぜひ少額から投資をしてみましょう。

まとめ

日本の不動産クラウドファンディングの市場規模は右肩上がりで伸び続けており、不動産クラウドファンディングを通して投資を行う人の数も増加していると考えられます。また、不動産クラウドファンディングの発祥の地であるアメリカでは市場規模が日本よりも何倍も大きく、将来はもっと大きくなると予想されていることから、日本の不動産クラウドファンディング市場も伸びしろが高いと判断できます。

不動産クラウドファンディングサービスやファンドには様々な種類のものがあります。募集案件数が多いサービスは、いろいろなファンドの中から、自分に合ったものを選ぶことができます。不動産に少額から投資をしたい、比較的低リスクで運用をしたいという人は、ぜひ不動産クラウドファンディングを検討してみてください。

この記事を書いた人

LIFULL不動産クラウドファンディング編集部

金融分野全般に視野が広いライターと、不動産クラウドファンディングに精通した校閲メンバーにて構成。投資家目線のわかりやすい記事を届けることをモットーに、不動産クラウドファンディングを中心とした投資お役立ち情報をお届けします。

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