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不動産クラファン入門 2021.10.22

【不動産クラファン入門】想定利回りとは?

不動産クラウドファンディングはインターネットを通じて不動産に少額出資を行い、運用益を分配金として受け取ることができる投資手法です。このコラムでは不動産クラウドファンディング初心者が投資の際につまづきやすいポイントをテーマに解説します。
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いわゆる「ファンド」などへの投資を検討する際、「想定利回り」の水準は最も重要な判断材料の一つです。この「想定利回り」が銀行の「預金金利」や株の「配当利回り」よりどれだけ高いか、また、同様の商品の平均的な利回りと比較して突出して低かったり高かったりしないかなどがまずはチェックポイントになっているのではないでしょうか。

不動産を小口化した商品である不動産特定共同事業法に基づく「不動産クラウドファンディング」においても、商品ごとに「想定利回り」が提示されています。

Chapter2では、不動産クラウドファンディングに投資する際に理解しておくべき「想定利回り」の意味、そして総合的な投資リターンの考え方について見ていきます。

そもそも「利回り」とは何か

そもそも「利回り」とは何でしょうか。まずは普段よく使うこの言葉の意味を確認していきましょう。

「利回り」とは投資元本に対して、最終的にいくら戻ってくるかを年率の数字にしたものです。似たような言葉に「利率」がありますが、これは債券などの金融商品を発行する際にあらかじめ決めるもので、発行者(お金を調達する人)が額面金額に対して年間どれだけコストを支払うかという金融商品の値段を示すものと言えます。これに対して「利回り」は投資家から見た最終的な損益を示す数字です。「利率」2%の既発の国債を価格@110で買ったときの「最終利回りは」・・といった関係になります。

不動産クラウドファンディングも含め、ファンド運用の世界では、投資家にとっての最終的な利回りが当初から確定しているわけではありません。当初に提示されているのはあくまで「予定」です。そして、「元本」は保証されていませんから、投資を決断する際にはその「想定利回り」がどれだけ「確からしい」かの判断がポイントになってきます。

利回り計算のあれこれ

それではまず、「利回り」の計算方法をおさらいしましょう。

利回りの計算の基本

利回りという時には通常パーセント(年率)で表します。「単利運用」の場合には、

年利回り = (分配金+売却益) / 投資元本 / 運用期間(年)× 100

となります。

また、複利運用の場合には、手元に戻ってきた分配金や利息を元本に組み入れて再運用を行いますので次のような計算式で年利回りを表すことができます。

年利回り = (償還金+分配金) / 投資元本 × 1 / 運用期間(年)乗 ー 1

不動産クラウドファンディングには運用期間中に複数回分配を行うファンドもありますが、その分配金を自動的に元本に組み入れるという複利運用の仕組みはありません(今後の発展に期待したいことろです)。

また、ファンドやある特定の事業の収益率を表す際によく用いられるものに「内部収益率」があります。Internal Rate of Returnの訳でIRRと呼ばれます。

「将来投資回収見込のキャッシュフローの現在価値」と「投資額の現在価値」が等しくなる割引率のことを言います。つまり、ファンドの正味現在価値(NPV: Net Present Value)がゼロになる割引率です。

やや複雑になりますので詳細にはふれませんが、不動産クラウドファンディングの「ファンドの詳細」にも登場する言葉ですので、その概念は確認しておきましょう。ちなみにエクセル関数を使うと自分でも簡単に計算ができます。

不動産の利回りの考え方

不動産クラウドファンディングの「ファンド詳細」に登場する利回りには、投資対象不動産自体の利回りもありますので、不動産投資において使う「利回り」の考え方も復習しておきましょう。

投資用不動産における利回りには、表面利回り、実質利回り、キャップレートなどがありqます。表面利回りとは、単純に年間の賃料を不動産の購入価格で割ったもの、実質利回りとは、年間の賃料収入から費用を控除した純収益(NOI=Net Operation Income)を不動産の購入価格で割ったものです。キャップレート(還元利回り)は不動産の純収益(NOI)を不動産価格で割った数字で、対象不動産に対する期待利回りを表します。

不動産クラウドファンディングの「想定利回り」

利回りの考え方を一通り見たところで、不動産クラウドファンディングに投資する際の利回りの考え方に話を進めます。

利回りの計算期間と投資資金のロックアップ期間

預金など、利率が確定した商品の場合、将来受取る利息は、

元本 × 金利(年率〇%) × 預入日数(運用期間)/ 365

で求めます。日数計算は大抵「片端=運用開始日は日数に数えず、終了日は数える」を使います。

不動産クラウドファンディングの場合、基本的に「予定運用期間」の日数が利回りの「計算期間」となっていて日数計算の分子にきます。予定運用期間が2021年11月30日から2022年5月31日の6カ月であれば、

投資資金 × 想定利回り(年率〇%) × 運用期間(182日)/ 365

となります。6カ月=1年の1/2といった程度のざっくりした計算でいいかもしれません。なぜならば、利回りはあくまで「予定」であって、予定した運用期間終了日を待たずに分配されてしまうこともありますし、逆に予定から運用の終了が遅れ、分配金の振込が遅れることもあり得ます。こういう事態は好ましくないですが、状況によっては起こりえます。

不動産クラウドファンディングのリスクについての説明には、「出資者への利益及び払込出資金の返還の原資は、不動産特定共同事業契約に基づいて本事業者が行う事業より生じる収入から、本事業の実施に伴い発生した費用や損失等を控除した残額」といった内容が記載されています。つまり、想定利回りは前述のIRRの考え方によるもので、賃貸管理にかかる費用や、売却の際の損失が当初の想定より膨らめば、最終的な利回りは当初の想定を下回ることになります。つまり、元本は保証されていないわけです。

また、申込み方法が先着順であれ、抽選方式であれ、出資金の払い込みは運用開始日のかなり前に行う必要があり、また分配金の振込も運用終了日からある程度経ってからになることが多いです。今後はデポジット口座(預り金口座)を利用し、お金のロックアップ期間(滞留期間)が短縮されることが期待されます。

ファンドの事業内容と利回りの関係

不動産クラウドファンディングの想定利回りの水準はおおよそ年率2%~8%程度となっています。

> 不動産クラウドファンディングの分配金とは?理解しておきたい利益の仕組みや受け取り方・分配金利回り

そのファンドの対象不動産の生み出す期待収益や事業内容のリスクの大小、その他の要因によって想定利回りも高かったり低かったりします。一般的には以下のように考えられます。

■不動産の種類
(利回り高い) > ホテルやモールなどの商業施設 > オフィスビル > 住居(レジデンス) > (利回り低い)

■事業の内容
(利回り高い) > 新規開発案件 > 既存不動産のリノベーション案件 > 既存不動産をそのまま運用 > (利回り低い)

また、想定利回りが「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」に分けて表示されていることがあります。特に「キャピタルゲイン」を想定利回りに加算している場合には、そのエグジット(対象不動産の第三者への売却による投資資金の回収)の想定の「確からしさ」を契約締結前書面などで十分吟味することをおすすめします。

「エグジット」はその時点の市況に左右される可能性が高いといえます。特に開発プロジェクトは長期間にわたる場合が多く、その間の突発的な市況の変化(自然災害や今回のコロナによる態様の変化など)は最終的な利回りに確実に影響してきます。現物不動産に投資していれば、市況が回復するまで「塩漬け」という手もあるかもしれませんが、出口が決まっているファンド投資においては、その運用を事業者の判断に任せることになります。事業者の力量を見極めることも必要です。

「おまけ」や「リスク」も含めたトータルリターン

ここまでは不動産クラウドファンディングの想定利回りについて見てきましたが、最後に、最近よく見られる「おまけ」について考えてみたいと思います。

キャッシュバックやギフト券の考え方

特に新たに参入する事業者などがAmazonギフト券、キャッシュバックや地域の物産などの「おまけ」付きでファンド募集を行っているのを目にします。これらはファンドの運用から得られる収益ではないため、当然、ファンド概要の「想定利回り」には入っていませんが、これらに誘われて投資家登録をしたり、出資を決断したりする投資家も多いのではないでしょうか? キャッシュバックなどを利回りに換算すると、案外大きな影響がある場合もあります。

注意したいのは、「キャッシュバック」を受けた場合も税申告の対象になることです。「一時所得」あるいは投資に付随した所得として「雑所得」となります。後者の場合、その金額が「年間取引報告書」に記載されることもあります。厳密にいうと、その他の贈答品なども雑所得です(申告の際には税務署あるいは税理士にご確認ください。)。

これら以外にも、お得意投資家には次回ファンド募集の際に優先権を与える、その他の優待を与える等、投資家獲得を目指した色々なアイディアが出てきています。中には地域の特産品を届けてくれるなど、ふるさと納税や購入型クラウドファンディングに寄ったサービスも出てきています。また、今後はESGなど事業者のビジョンがしっかり表れているファンドというのも選択するポイントになってくるかもしれません。

投資家としてファンドのリスクを見極める厳しい目を持ちつつ、別の側面からファンドの価値を足し算し、トータルリターンを考えるというのも新たな楽しみでしょう。

まとめ

これから投資を始める個人投資家の方々も、表面の高い想定利回りだけでファンド投資の判断をするのではなく、そのファンドのリスクは何か、そのリスクも含めて考えるとその利回りは妥当と言えるのか、そして、事業者のビジョンや提供されるおまけに至るまで様々な視点からご自身の投資を考えてみることをおすすめします。

不動産クラウドファンディングでは、これらのリスク要因も含め、投資家の投資判断に重要な影響を与える事項を説明する書面(重要事項説明書)がいつでも閲覧できるようになっています。この内容を十分理解した上で投資を行うことが重要です。

さあ、不動産クラウドファンディング投資を楽しみましょう。

この記事を書いた人

LIFULL不動産クラウドファンディング編集部

金融分野全般に視野が広いライターと、不動産クラウドファンディングに精通した校閲メンバーにて構成。投資家目線のわかりやすい記事を届けることをモットーに、不動産クラウドファンディングを中心とした投資お役立ち情報をお届けします。

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