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初心者向け 2021.09.01

【不動産クラファン入門】契約前の確認ポイント

多様化の時代、不動産クラウドファンディング市場においても新たな個性的な取り組みが次々と登場し、投資家のチョイスの幅も広がっています。出資決断の決め手には 「利回りの高さ」、「対象不動産の価値や将来性」、「事業運営者の信頼性」といったベーシックなものに、「社会的意味」や「共感」が加わっているかもしれません。

一方で「投資」をするからには、そのプロジェクトがちゃんと期待されるリターンを生み出すものなのかどうか投資家自ら確認する必要があります。不動産特定共同事業法に基づく不動産クラウドファンディングであれば、その基本的な確認方法は共通です。

Chapter1では、ファンドに「投資する」ボタンを押す前におさえておきたい「重要な情報」を確認する際のポイントを、各ステップごとに見ていきたいと思います。

ステップ1:まずはサイト運営者を確認する

不動産クラウドファンディングに投資をする際、まずは誰がサイトの運営者なのかを確認しましょう。サイトをスクロールしていくと、大抵、一番下のフッター部にその情報が記載されています。不動産クラウドファンディングサイトを運営するには、不動産特定共同事業(以下、不特事業)法に基づいて国土交通省、あるいは都道府県による許可を取得(小規模事業の場合には登録)する必要があり、サイト上で決められた以下の情報を公開しなければなりません。ファンドを見に行く前に、まずは運営者の情報を確認したうえで、次のステップに進むようにしましょう。

<必要記載事項>

  1. 会社名
  2. 不特事業許可(許可番号 国土交通大臣/〇〇都・県知事 第〇〇号)
  3. 代表者の氏名、業務管理者※の氏名
  4. 本店(又は主な事務所)の住所
  5. 電話番号
  6. 運営する不特事業の種別 第〇号事業(電子取引業務を行う)※※

※業務管理者:宅地建物取引士の資格に加え、1)不特事業において3年間の実務経験、2)不動産コンサルティングマスター登録者、3)ビル経営管理士、4)不動産証券化マスターのいずれかを満たしている従業員ーつまり、不動産ファンドのプロがいることが必須です。
※※「不特事業の種別」には不特法で定められた「第1号」、「第2号」、「第3号」、「第4号」、ならびに「小規模1号」と「小規模2号」の6種類があります。この中の「第2号」および「第4号」は他の不特事業者(営業者)から委託を受けてその不特事業の取扱い、いわゆる契約締結の「媒介」を行います。いずれも不動産クラウドファンディングのサイトを運営するためには「電子取引業務」の許可も必要になります。不特事業者の一覧は国交省のサイトで定期的に更新されています。

こちらを見ると、投資する際のツールである「サイトの運営者」が誰であるか知ることができます。会社のホームページを覗いて、その会社がこれまでどういう事業を行ってきたのか(沿革)や、代表の事業に対する理念や目標を読んでみるのもおすすめです。

ステップ2:投資したいファンドを選ぶ

不動産クラウドファンディングサイトの運営者の確認が終わったら、具体的な投資先であるファンドを選びましょう。(すでにあらかた目星をつけているかもしれませんが)

「運用を終了した」ファンドで、その内容や分配などの過去の「実績」を参考にするのもよいでしょう。

大抵の場合、メニューから「ファンド一覧」を選ぶと「募集中のファンド」、「募集前のファンド」、「運用中のファンド」、「運用を終了したファンド」の順番でファンドのカードが並んでいます。

ステップ3:個別のファンドページで大枠を理解する

ファンドの概要

大抵のサイトでは、投資家登録をする前の誰でも見られる情報として「ファンドの概要」を掲載しています。募集金額、募集の方法、募集期間、想定利回り(年率)、想定運用期間、配当予定日、一口当たりの金額、そして投資対象不動産についての大まかな説明などが記載されています。ビジュアルに訴える写真や図など、わかりやすくキャッチなものが目立ちます。

ファンドの仕組み・スキーム図

そのファンドがどのような体制で運営されるものであるのか、も確認しましょう。
下のような簡単なスキーム図によるお金の流れの説明も多くみられます。一目で大まかなファンドの仕組みがつかめるので便利ですね。

ファンドに関係する市況などの一般情報

投資の対象である不動産に関連した、一般的な情報が投資家のために提供されている場合もあります。物件所在地の地域の人流や経済、そして、特に開発プロジェクトが対象である場合には、そのプロジェクトの生み出す関係人口の見通しなど、居ながらにしてプロジェクトをイメージするのに役立つ情報が提供されます。

LIFULL不動産クラウドファンディングでは、LIFULL HOME’Sと連携して、土地価格相場情報を始めとした様々なデータを提供しています。こちらも是非お役立てください。

リスク

ファンドに投資するにあたって、生じる可能性のあるリスクについて大まかに説明しています。そして、元本が保証されていない旨、投資は投資家自身の判断で行うという原則が明記されています。固有のリスクの詳細はここではつかみきれません。詳細は、ステップ4の「契約成立前書面」で明らかにされます。 

期待リターン

対象の不特事業からどれだけの利益が見込めるかの目安として、年率〇〇%という形で予定分配率が記載されています。不動産クラウドファンディングのサイクルは、<募集>⇒<ファンド成立>⇒<運用開始>⇒<運用中>⇒<運用終了>⇒<分配・償還>であり、<運用開始>から<運用終了>までの運用期間中に得られた利益の総額を出資金額で割り、運用期間の日数を掛け、365日で除したものが大まかな年率予想利回りとなります。この利回りはあくまで見込みであって、確定したものではありません。また、償還までに複数回の分配を行うファンドもあれば、償還時に償還金と一括で分配を行うファンドもあります。

たとえば、対象の不動産を売却して償還することを予定しているファンドの場合、当初の見込みより早期に売却が決まってしまうと、その時点で運用が終了し、償還・分配が早まることも考えられます。ファンドのスキームによって色々なパターンが考えられ、運用期間が短縮あるいは延長された場合には年率換算した実際の利回りは当初の見込みより高くなったり、低くなったりする場合もあるでしょう。

利回り見込みが年率10%、運用期間が3か月のファンド場合に得られる分配金は元本x10%x3/12で、出資額の約2.5%ということになります。不動産クラウドファンディングでは基本的に複利で運用するような仕組みはありませんので、分配された現金はすみやかに次のファンドに投資をしないと、結局は期待したような高い利回りは得られないことになります。

ステップ4:「契約成立前書面」を読み込む

ここまでは、投資するファンドを決める際の目安であるファンドの「概要」について見てきました。投資したいファンドが決まったら、次は「ファンド詳細」画面に移動してファンドのスキーム、可能性のあるリスク、分配金の計算方法などを中心に詳細な情報を確認します。

実際にサイト上で投資申請をする際には「契約成立前書面」を開き、確認済みのチェックを入れないと投資申請ができない仕組みになっています。

この書面は、契約を締結する前に出資者に対して不特事業契約の詳しい内容を説明するために用意される重要な書面で、株や債券などの募集の際に交付される「目論見書」のようなものです。

それなりにボリュームがあり、読むのは面倒に思えますが、読み飛ばさずにご自分が契約しようとしている内容をじっくり読み込みましょう。

それでは、「契約成立前書面」にかならず記載されている情報を見ていきます。

運営する営業者の財務状況

まずは、「出資したお金の運用を任せる契約相手」である営業者の財務内容を確認しましょう。ファンドを運営する営業者とは、不特1号事業者自らが運営するサイトであれば、その1号事業者自身です。SPCを使った特例事業の場合には、その特例事業者となりますが、SPCはファンド運用のために設立された「箱」なので、実際の不動産取引全般および募集を委託された不特3号・4号事業者による財務状況の報告を確認することになります。

不特事業者は不特事業を行うための許可(小規模不特事業の場合は登録)の段階で基本的な財務内容の健全性(注)は確認されていると言えますが、改めて記載されている直近の審査内容を確認し、不特事業以外に行っている事業の状況も含めて、その会社の経営の健全性をチェックしましょう。

(注)過去の決算における黒字要件、純資産が資本金の90/100を下回っていないなど。

ファンドの事業計画

次に、ファンド全体の事業計画の詳細が説明されています。現物不動産を購入する場合と同様に内容を確認していきましょう。主な確認事項には次の通りです。

  • 不特契約の枠組み:出資者全員による共同事業なのか(任意組合型)、一方の契約の相手方が専ら運用と分配を行うのか(匿名組合型)など、契約の形態が明示されています。
  • 利害関係人:契約の相手方以外に事業に関して利害関係人がいるかどうか、いる場合には、その利害関係人と運営者の関係や重要な取引内容が記載されています。
  • 対象不動産:投資対象である不動産について、その地番や用途などの特定や算定価格とその算定根拠、その他対象不動産にかかわる情報を確認します。
  • 業務管理者名:記載内容についてはサイトを運営する不特事業者の業務管理者が、その記述が合理的であるかどうか審査をしていますので、末尾に業務管理者の氏名があります。

集めた資金の利用用途(資金使途)

出資金が運営者により流用されることがないように使い途を特定するための審査内容が記載されています。ご自分の投資する資金がどのように使われるのか、プロジェクト全体の資金計画の中でどのような立ち位置になるのかを確認しましょう。

  • 事業計画の中で、どこに資金を使うのか?
    – 不動産の取得のための費用なのか、リフォーム工事の費用なのか。また、その額は妥当な額なのか
    – 事業規模に対して過大ではないのか、他の用途に流用される可能性はないか
  • 出資契約による資金以外に調達は行うのか?
    – 特にご自分の出資したお金に優先して返済する契約がある場合は、どこが調達先なのか、対象の不動産に担保が設定されているのか

その他重要な情報

投資に関するリスク、運営者の手数料、契約の解除、クーリング・オフ制度、分配の方針、出資金の管理方法や預託を受ける場合(デポジット口座での預り金)にはその管理方法など、実際の運営における重要な取り決めが記載されています。知らなかった、ということがないよう、極力主要な項目はチェックしておくとよいでしょう。

ステップ5:「電子取引業務に係る重要事項説明書」の確認

最後に、重要事項説明書の確認を行いましょう。

現物不動産取引をする前に必ず交付される重要事項説明書(いわゆる35条書面)のように、インターネットで不動産クラウドファンディングの契約締結(電子取引)を行う前に確認する重要な内容が記載されている書面です。前述の「契約締結前書面」とほぼ同一の内容であるため、二つの書面を兼ねた形で掲載しているサイトもあります。

以上、ここまでが投資する前の確認事項になります。
問題なかったら申込みへ進みましょう。

(注)この書面はオンラインで案内、説明、そして取引まで全てが完結する場合に投資家に対して交付される書面です。ネットに掲載されたファンド広告の申込連絡先から営業者に連絡し、オフラインで取引を行う「対面募集」の場合にはこの書面は交付されません。

補足:「不動産特定共同事業契約書」と「契約締結時書面」とは

契約成立前書面および重要事項説明書で契約の内容を十分に理解したあとで、契約の締結となります。先着制の場合には、申込み後すぐに契約締結となりますが、抽選制の場合には当選が確定してから契約となります。いずれの場合も、契約を締結する際に「契約締結時書面」が交付されます。たいていは、こちらがメールに添付されて投資家のメールアドレスに送付され、投資家が確認した時点で不特事業契約の締結となります。この書面の確認の時点がクーリング・オフの起点となりますので注意が必要です。

補足:クーリング・オフについて

不動産クラウドファンディングの契約にはクーリング・オフ制度が適用になります。一度契約を締結しても8日間に限り契約をキャンセルできるという投資家保護の制度です。前述の通り、この8日間の起点となるのが「契約締結時書面」交付日となっています。マイページからこの書面をダウンロードした時点や、メール添付により書面のファイルを受取った時点からクーリング・オフ期間が始まることになっています。

まとめ

不動産クラウドファンディングはインターネット上で気軽に不動産投資が完結する便利なサービスです。営業マンが表情を見ながら理解が難しそうな点を補足説明することはありません。投資家自身がサイトに公開されている情報を能動的に取りに行き、フルに活用することが必要になってくるわけです。

そこで、必ず確認しなくてはならないのは「契約締結前書面」と「重要事項説明書」です。ここには、サイト運営者である不特事業者が審査を行った結果、投資の判断材料として妥当と判断した重要な情報が詳細に記載されています。ファンド概要の簡単な説明や図にとどまらず、これらの書面をちょっと面倒でも、時間をとって読み込み、仕組みやリスクを十分に理解してから投資申込みボタンを押すようにしましょう。

LIFULL不動産クラウドファンディング編集部
この記事を書いた人

LIFULL不動産クラウドファンディング編集部

金融分野全般に視野が広いライターと、不動産クラウドファンディングに精通した校閲メンバーにて構成。投資家目線のわかりやすい記事を届けることをモットーに、不動産クラウドファンディングを中心とした投資お役立ち情報をお届けします。

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