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お役立ち情報 2021.04.28

ソーシャルレンディングとは?くわしい仕組みやメリットデメリット・注意点を解説

ソーシャルレンディングとは「投資をしたい投資家」と「お金を借りたい企業」を、インターネットを使ってマッチングさせるサービスです。投資家はさまざまな企業に手軽に投資することができ、企業は銀行などの金融機関を通さずに、必要な資金を柔軟に調達することができます。

ここでは、ソーシャルレンディングの仕組みやメリットデメリット、注意点などについてくわしく解説します。

ソーシャルレンディングとはそもそも何?

ソーシャルレンディングとは、オンライン上のプラットフォームを通じて「お金を貸したい不特定多数の投資家」と「お金を借りたい企業」を結ぶ仕組みのことをいいます。英語では「Social Lending」と表記されます。

また、ソーシャルレンディングは「融資型クラウドファンディング」とも呼ばれています。クラウドファンディングとは「群衆(Crowd)」と「資金調達(Funding)」を掛け合わせた造語で、不特定多数の人から資金調達をするという意味です。

ソーシャルレンディング事業者は、インターネット上で不特定多数の投資家からの資金を集め、それを企業に貸し出して運用します。

投資家は、ソーシャルレンディング事業者(または借り手企業)に匿名組合契約を通じて出資をすることで、出資額に応じて定期的に分配金を受け取ることができる仕組みとなっています。

ソーシャルレンディングの歴史

ソーシャルレンディングは2005年にイギリスで生まれた金融サービスです。既存の金融の仕組みである「融資」と、インターネット上のプラットフォームという「IT技術」を組み合わせていることから、「フィンテック(Fintech)」の一分野としても注目されています。

また、海外のソーシャルレンディングでは、投資家が企業に貸付をするだけではなく、「お金を貸したい個人」と「お金を借りたい個人」を匿名でマッチングする個人間融資(peer to peer Lending)も人気です。

ただ、日本では賃金業法の関係により、個人と個人を直接結んだ融資取引は行われていません。日本では、「個人の投資家」と「企業」を結ぶソーシャルレンディングが主流となっています。

ソーシャルレンディングの市場規模

海外では、個人の資産運用は貯蓄ではなく投資が主流です。そのため「資金を何らかのかたちで運用したい」というニーズが高く、ソーシャルレンディング市場が発達しています。

ソーシャルレンディングのグローバルの市場規模は2019年には680億ドル(1ドル110円とすると7兆4,800億円)となっており、2020年から2027年の年平均成長率は30%と予測されています。

日本では、貯蓄をつかった資産運用が主流ではありますが、長年にわたって続く低金利政策のため「銀行にお金を預けていても増えない」という状況が続いています。

ソーシャルレンディングは株や投資信託のように元本の値動きがなく、預金利息のように定期的に分配金がもらえる仕組みです。

そのため、「銀行預金以外で、比較的リスクが低い運用をしたい」という人が、ソーシャルレンディングを活用する例が増えています。

「一般社団法人 日本クラウドファンディング協会」の市場調査報告書によると、日本のソーシャルレンディング市場規模の推移は以下のようになっています。

市場規模
2017年1,316億円
2018年1,764億円
2019年1,113億円
出典:日本クラウドファンディング協会 クラウドファンディング 市場調査報告書(2020年度)より

海外よりも規模は小さいものの、1,000億円以上の大きな市場になっていることがわかります。

企業がソーシャルレンディングを利用する理由

ソーシャルレンディングで資金調達をする企業が増えていますが、なぜ銀行などの金融機関ではなくソーシャルレンディングを利用するのでしょうか。

一般的な企業の資金調達では、銀行を利用することが多くなっています。しかし、銀行の融資審査は非常に厳しいことが知られており、審査基準をすべて満たさなければ融資を受けることができません。

また、銀行の審査では、成長力がある将来性豊かな企業であっても、

  • 起業して年数が浅く取引実績が少ない
  • 担保がない
  • 新規事業など、リスクが高い取り組みをしている
  • 銀行からすでに融資を受けている

というような理由で銀行からの融資を受けられず、資金調達がうまくいかないこともあります。

ソーシャルレンディングでも借り手企業の審査はありますが、銀行の審査ほど画一的ではありません。企業のリスクを総合的に判断しているため、銀行に比べて融資を受けられる可能性が高くなっています。

このように、ソーシャルレンディングの登場で、企業は銀行を介さなくても融資を受けられるようになりました。

銀行から融資を受けられない企業や、複数の資金調達の手段を持ちたいという企業が、ソーシャルレンディングを利用する例が増えてきています。

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの違い

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングはどちらも分配金を受け取る仕組みのため、似ていると思われがちですが、実際には違いがあります。

一番大きな違いは、事業で必要となる免許の種類です。ソーシャルレンディング事業者と不動産クラウドファンディングの事業者では、以下のように必要な免許が異なっています。

ソーシャルレンディング

免許の種類目的
第二種金融商品取引業
(媒介を行う場合には電子募集取扱業務の登録)
インターネット上で投資家から資金を募るために必要
貸金業投資家から募った資金を融資するために必要

不動産クラウドファンディング

免許の種類目的
不動産特定共同事業及び電子取引業務
(国土交通省または都道府県による許可制)
インターネット上で投資家から集めた資金で不動産取引を行い、その収益や利益を投資家に分配する、あるいはその媒介を行うために必要
第二種金融商品取引業
(電子募集取扱業)
SPCを使った特例事業の媒介を行う場合に必要

ソーシャルレンディング事業者は、インターネット上で資金を募るためには「第二種金融商品取引業」、その資金で融資を行うためには「貸金業」の登録を行う必要があります。

不動産クラウドファンディング事業者は、国道交通大臣または都道府県知事の許可が必要となる「許可制度」が設けられており、第1号事業者から第4号事業者まで、いずれかの許可を受ける必要があります。

資本金や良好な財産的基礎などの条件をクリアし、健全な事業運営ができると判断された事業主のみが許可を受けているため、投資家は安心して不動産クラウドファンディングに資金を投資することができます。

また、ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングに当てはまらないものとして、「ファンド型クラウドファンディング」があります。

ファンド型クラウドファンディングとは、投資家から募った資金で「特定の事業」を運営し、リターンとして出資額に応じた金銭などを分配する仕組みです。

このファンド型クラウドファンディングを使って不動産事業に投資をする場合、事業者はインターネット上で資金を募るための「金融商品取引法」の「第二種金融商品取引業」の「電子募集取扱業務」の事業者登録を行っています。

不動産を対象とするクラウドファンディングの事業者が不動産特定共同事業者免許(許可制)を保有していない場合は、不動産特定共同事業ではなく不動産関連事業に投資をする「ファンド型クラウドファンディングである」と考えることができます。

投資家から集めた資金すべてを現物不動産に投資するのは「不動産クラウドファンディング」のみとなっています。

ソーシャルレンディングの仕組み

ソーシャルレンディングでは、投資家が企業に資金を貸し付け、支払い利息の一部を分配金として受け取る仕組みです。

ただし、投資家と企業が直接金銭貸借契約を結ぶのではなく、ソーシャルレンディング事業者または(媒介の場合には)借り手企業と投資家が匿名組合を締結するということが大きな特徴となっています。

それでは、ソーシャルレンディングの仕組みについて、くわしく解説します。

ソーシャルレンディング業者の免許と匿名組合契約とは

ソーシャルレンディング業者は、金融庁管轄の第二種金融商品取引業(媒介を行う場合は電子募集取扱業務)の登録をおこなっているため、インターネット上で出資金を募集することができます。また、自ら貸付を行う場合は貸金業の登録も行っています。

ソーシャルレンディングでは、投資家とソーシャルレンディング事業者または(媒介の場合には)借り手企業がまず「匿名組合契約」を結びます。

「匿名組合契約」というとなんらかの集団や団体のことと思われがちですが、実際は「出資の際に交わされる契約」のことをいいます。

商法第535条では「匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる」と定められています。

この場合、「当事者の一方」とは投資家を指し、「相手方」とは営業を行うソーシャルレンディング事業者または(媒介の場合には)借り手企業のことをいいます。

匿名組合は「事業を経営することができる者」と「資金を提供するもの」の2者間の契約のみが可能となっており、3者間の契約ができないという特徴があります。

また、匿名組合を使ったソーシャルレンディングでは、出資も分配金の受け取りも、すべて匿名でおこなわれます。

匿名組合では、投資家が出資した財産は事業を行う営業者、つまりソーシャルレンディング事業者または(媒介の場合には)借り手企業の負債となります。そのため、もしもソーシャルレンディング事業者または借り手企業が債務不履行に陥った場合は、財産が返還されないことがあるため注意が必要です。

ソーシャルレンディング事業者は借り手企業の審査をおこなったうえで募集を行い、集めた資金を企業に貸し付けます。

借り手企業は元本と支払い利息をソーシャルレンディング事業者に返済します。投資家は、「支払い利息からソーシャルレンディング事業者の手数料を引いた残り」を、分配金としてソーシャルレンディング事業者から受け取る仕組みとなっています。

ソーシャルレンディングの5つのメリット

ソーシャルレンディングは投資家にとってさまざまなメリットがあります。ここでは、5つのメリットを紹介します。

利回りが高い

ソーシャルレンディングの一番のメリットは利回りが高いことです。案件によって違いがあるものの、ソーシャルレンディングの平均的な利回りは2%~7%ほどとなっています。

近年は銀行預金金利が低い状態が続いており、0.001%や0.002%という金利も珍しくはありません。ソーシャルレンディングで運用すると、銀行預金よりも100倍以上の利益が期待できることになります。

また、ソーシャルレンディングでは、分配金を再投資することで複利運用と同じような効果が期待できるため、比較的低リスクでじっくりと資産を増やしていくことが可能です。

例として、「複利運用で資産を倍にするには、どれくらいの時間がかかるか」ということを考えてみましょう。

複利運用で現在の資産を2倍にするために必要な年数は、有名な法則である「72÷運用利回り(複利)」で計算することができます。

例えば、6%で複利運用をした場合、「72÷6=12」となり、12年で資産が倍になる計算になります。銀行預金金利で計算した場合は「72÷0.002=36,000」となり、3万6,000年もかかることになります。

このように、現在の銀行預金では、「子供の進学費用」や「老後の資金」というようなまとまったお金を、長期運用で形成することが難しくなっています。

銀行預金では「預けて増やす」ということは期待できませんが、ソーシャルレンディングをうまく活用して長期運用をすれば、比較的低リスクで資産を増やすことができます。

1万円という少額から投資ができる

ソーシャルレンディングでは1万円程度から投資ができます。まとまった投資金額でなくても、すぐに始められることが魅力です。

ソーシャルレンディングが初めてで不安を感じるという人は、まずは1万円から試してみて、実際に分配金を受け取ることもできます。

また、ソーシャルレンディングは1万円から投資できるため、受け取った分配金が比較的少ない場合でも、他の案件に再投資することによって「利息を元本に組み入れて運用する」という、銀行預金の複利運用と同じような効果を得やすいこともメリットです。

運用期間を選べる

ソーシャルレンディングはさまざまな案件があるため、自分の投資方針にあった運用期間を選ぶことができます。

特に、ソーシャルレンディングは短期運用の案件も多くなっています。例えば数か月後に必要となる資金であっても、ソーシャルレンディングの短期の案件をうまく活用することで、資産運用をすることが可能です。

長期資金、短期資金ともに運用しやすいことが、ソーシャルレンディングのメリットとなっています。

元本の価格変動がない

ソーシャルレンディングは、資金を借り手企業に貸し付け、返済利息の一部を分配金として受け取る仕組みです。そのため、基本的に元本の価格変動がありません。

株や投資信託は「元本価格の変動」があるため市場環境に左右され、大きな利益が期待できる一方、元本割れをする可能性もあります。

ソーシャルレンディングは償還まで元本の価格がかわらないため、元本価格の変動に対して気を揉まなくてもよいことがメリットです。

情報収集の手間がかからない

ソーシャルレンディングは、いったん投資をすれば償還まで何もしなくてもよいということもメリットです。

株や投資信託に投資をした場合は、日々の経済ニュースやファンダメンタル分析、金利の動向など、さまざまな情報を集める必要があります。また、売買のタイミングを考えたり、相場の状況をこまめにみたりしなければならないため手間がかかり、ストレスがたまることもあります。

しかし、ソーシャルレンディングはいったん申し込みと入金をすれば、分配金を受け取りながら、償還まで放置しておくことが可能となっています。

ソーシャルレンディングのデメリットや注意点

ソーシャルレンディングには多くのメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。ソーシャルレンディングは比較的リスクが低いものの、デメリットもしっかりと理解しておくことが大切です。

それでは、ソーシャルレンディングのデメリットについてくわしく解説します。

元本が割れることがある

ソーシャルレンディングでは、貸付先企業の返済が遅れたり、債務不履行や貸し倒れが発生したりすることがあります。このようなときには、分配金や元本の償還が遅れたり、元本割れしたりすることがあるため注意が必要です。

ソーシャルレンディングは比較的低リスクではありますが、元本保証ではないということをしっかりと理解しておきましょう。

このようなリスクを避けるためには、貸付企業の経営状態をしっかりと確認したうえで投資をする必要があります。

日本でソーシャルレンディングが始まった当初は当局より「融資先の匿名化」が求められていたため、投資家が自分自身で融資先の情報を調べることができませんでした。

しかし、この「融資先の匿名義務」を悪用するソーシャルレンディング事業者があらわれたことから、金融庁は2019年3月18日にソーシャルレンディングの匿名化解除を発表しました。

この方針転換により、投資家も「自分の資金がどこに融資されるか」をある程度把握できるようになっています。

ただ、ソーシャルレンディングの融資先は株式会社だけではなく、プロジェクトを行う合同会社や特別目的会社の場合もあります。合同会社や特別目的会社は株式会社と違って決算公告義務がありません。

そのため、たとえ融資先が公開されていても、自分で経営状況等を調べることが難しい場合もあります。

ソーシャルレンディングの主なリスクは「貸付企業の経営悪化や倒産」のため、貸付企業をしっかりと審査しているソーシャルレンディング事業者を選ぶようにしましょう。

運用期間中は解約できない

ソーシャルレンディングは、運用期間中に解約することができません。株や投資信託のように自由に現金化できないことから、「どれくらいの運用期間のものに投資をするか」ということを慎重に考え、投資案件を決める必要があります。

ただ、「解約できない」ことはメリットということもできます。すぐに解約できるものであれば、ついつい現金化してしまい、使い込んでしまうかもしれません。

ソーシャルレンディングはいったん申し込むと満期まで現金化できないことから「お金を貯めやすい投資商品」と考えることもできます。

ただし、ソーシャルレンディングでは「期限前弁済」という仕組みがあり、予定運用期間よりも前に償還されることがあります。

借り手企業が期限前弁済を行うと予定より早く投資金が手元に戻りますが、「期待していた分配金を受け取ることができない」というデメリットがあります。

ソーシャルレンディングは投資家側は解約できないものの、借り手企業はいつでも期限前弁済が行える場合があるということを覚えておきましょう。

ソーシャルレンディング事業者の不祥事や倒産リスクがある

ソーシャルレンディングでは、投資家と企業の間を仲介する「ソーシャルレンディング事業者」が重要な役割を果たします。しかし、以下のような問題を起こして行政処分を受けた事業者も存在します。

  • 担保がないのに担保があると誤解される表現をする
  • 他のファンドの資金が、別のファンドの資金償還に使われるなどの「自転車操業」をしている
  • 集めた投資資金を本来の目的に使わず、流用している
  • 存在しない虚偽のファンドを使って投資資金を集める

また、ソーシャルレンディング事業者そのものが倒産した場合は、投資家の資金が大幅に毀損されることがあるため注意が必要です。

安心して投資をするために資本金の規模や実績などを確認し、信頼性が高い事業者を選ぶようにしましょう。

投資家に不利なノンリコースローンがある

ソーシャルレンディングの案件の中には、「ノンリコースローン」が存在します。

ノンリコースローンは借り手企業がもしも倒産した場合、あらかじめ限定した返済の原資以上の追求をすることができない仕組みとなっているため、注意が必要です。

リコースローンでは、借り手企業が倒産しても、その会社の関連会社や経営者本人に債権の請求を行うことが可能な場合もあります。しかし、ノンリコースローンの場合は貸付先企業の責任が限定されているため、リコースローンと同じような責任追及ができません。そのため、投資資金が戻る可能性が低くなります

ノンリコースローンの案件は、投資家リスクが大きいと覚えておきましょう。

まとめ

ソーシャルレンディングは、「高い利回りで資産運用をしたい」という人に適した投資方法のひとつです。1万円という少額から投資できるため、初心者でもはじめやすくなっています。また、申込から償還まですべてインターネット上で行うことができるため、手間がかからないこともメリットとなっています。

このソーシャルレンディングと似た手法として、不動産クラウドファンディングがあります。不動産クラウドファンディングは「1万円から投資できる」「利回りが高い」「元本が変動しない」といった特徴があり、使い勝手はソーシャルレンディングとほとんどかわりません。

その一方で、ソーシャルレンディングの投資目的は多様ですが、不動産クラウドファンディングは現物不動産のみが投資対象であるという違いがあります。不動産クラウドファンディングでは、不動産収益が投資家の利益に直結していてわかりやすい仕組みとなっています。

また、不動産クラウドファンディングは通常、早期償還がないため計画的に資金を運用しやすいこと、国や地方自治体の許可制のため事業者の信頼感が高いことも魅力です。

比較的低リスクで資産をじっくりと増やしたい人、安心して投資をしたい人は、ぜひソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングを活用してみてください。

LIFULL不動産クラウドファンディング編集部
この記事を書いた人

LIFULL不動産クラウドファンディング編集部

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