ニュース・トレンド 2021.02.16

改めて知っておきたい!「クラウドファンディング」の仕組みとメリット・注意点

皆さんは「クラウドファンディング」という言葉を耳にしたことがありますか?

商品開発やイベントの企画・運営から、起業など、さまざまな目的のためにインターネットを介して不特定多数の出資者から資金提供を募る仕組みです。日本でも、ここ10年ほどでクラウドファンディングのプラットフォームが充実してきており、資金提供を行う側・求める側の双方にとって身近な存在になりつつあります。また、その市場規模と品揃えは毎年拡大しており、注目度は今後もますます高まっていくと予想されます。

今回は、改めてクラウドファンディングの基礎的な仕組みをご紹介するとともに、メリットや出資の際の注意点をご紹介します。

まずは基礎から! クラウドファンディングの3つの種類

まずは、クラウドファンディング(crowd funding)の言葉の意味からおさらいしましょう。クラウドファンディングのクラウドはストレージサービスの「cloud(雲)」と誤解されがちですが、実際は「crowd(群衆)」という言葉が使われています。つまり、クラウドファンディングとは不特定多数の人々(crowd)が、特定の目的のために資金を求めている個人・法人に対して出資する(funding)仕組みを意味します。

クラウドファンディングは大きく以下の3つに分類されます。

寄付型

出資者は資金を「寄付」し、原則金銭的なリターンを求めない。ひとり親家庭の支援や動物愛護、伝統技術の保護などの社会的に意義のあるプロジェクトが多い。出資金は寄附金控除の対象。

地方自治体によるクラウドファンディングともいえる「ふるさと納税」では地方の特産物などが返礼品として人気を集めています。その本質は納税者から地方自治体への「寄付」であるため、総務省から「返礼割合が3割」を超えないよう、運営者に対して責任と良識ある対応の徹底が促されました。実はこれが現在の日本のクラウドファンディング業界において最大の流通額となっています(令和1年の「受入額」は4,900億円ほど)。

投資型

出資者に対して金銭的なリターンが提供される。投資型はさらに「融資型(貸付型)」、「ファンド型」、「株式型」そして、「不動産特定共同事業型」に分類される。

・融資型(貸付型)

資金を求める個人・法人に対して、資金を融資する。
決められた期間が経過すれば、出資者は元本に加えて予め設定された利息を手にすることができる金融商品。融資型のクラウドファンディングは「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、2010年半ばから急速に発展したものの、返済の遅延やデフォルトが散見され、金融庁から投資家保護の観点より一部の事業者に行政処分が下された。更に新規参入事業者へのハードルも引き上げられたため、一旦マーケットは縮小した。期日を待たずに期限前償還されることも多く、投資スパンは1年以内の短めが主流。

・ファンド型

出資者は特定のプロジェクトに対して出資し、そのプロジェクトから生ずる利益の分配をリターンとして受け取る。リターンを売上に連動させる仕組が多く、プロジェクトを運営する主体の力量を見極めて、2~5年など比較的長いスパンで投資する商品である。

・株式型

企業が出資者に対して、出資の見返りとして株式(未公開株)を発行する。

企業の新しい資金調達の手法として、欧米ではスタンダードになりつつある。 出資者は企業が上場すれば大きなリターンを手にできる可能性がある一方、 万が一破産すればリターンが0になる可能性もある。投資スパンは中長期。

・不動産特定共同事業型

特定の不動産を投資の対象とし、出資者はそこから生ずる運用益や売却益を分配金として受け取る仕組み。近年、空き家の利活用などを促進する目的で国土交通省により法整備が行われ、不動産事業者による参入が相次いでいる。数か月といった短期のファンドから、数年にわたるプロジェクトもある。現物不動産を所有する場合のように登記による第三者対抗要件はないものの(※)、少額から参加でき且つ、利回りも期待できる(年率1.5%~8%程度)ため注目が集まっている。

(※)昨年、内閣府規制改革推進会議において、「新たな情報システムを利用した債権譲渡の通知などにより第三者対抗要件を具備することが一定の要件のもとで可能となるよう、適切な措置を講じる」ことが挙げられた。

購入型

出資者は、特定の商品やサービスなど(金銭以外)をリターンとして受け取る。商品やサービスをいわば「事前購入」しているのに近いのが特徴。日本のクラウドファンディングの多くがこの形であり、「All-or-Nothing方式」と「All-in方式」の2種類に分類される。

・All-or-Nothing方式

出資の目標金額に達した場合のみ、支援希望者は支援金が受けられる。もし目標金額に達しなかった場合は、出資者に返金されてプロジェクトは終了する。

・All-in方式

出資の目標金額に達するかどうかに関わらず、支援希望者は支援金が受けられる。支援希望者はどれだけ少額しか資金が集まらなくても、プロジェクトを履行し、出資者に対してリターンを提供する義務がある。


大きな分類として「寄付型」、「投資型」、「購入型」の3つの種類があり、同じクラウドファンディングであっても出資に対してリターンを伴うかどうか、そしてそれが金銭的なものかそうでないかなど、大きく内容が異なるのがお分かりいただけると思います。ご自身の資産運用の目的に合わせた商品選択がポイントになりそうです。

クラウドファンディングのメリットと注意するべきポイント

クラウドファンディングは、資金を必要とする個人・法人の新しい資金調達の手段として注目されていますが、出資者(資金を提供する側)にとってはメリットがある一方で、注意点もあります。ここでは前述の3つの種類ごとにメリットと注意点を整理してみます。

寄付型

・メリット

  • 社会的に意義のあるプロジェクトや自分が応援したい相手に出資できる
  • 出資金は寄附金控除の対象になる

・注意点

  • 寄付後は、資金が目的通りに使われているかを見守ると安心できるが、残念ながらそうでない場合もあるだろう。

投資型

・メリット

  • 半年から1年程度と比較的短期間で利回り5%~10%などの高利回りプロジェクトに出会えれば大きなリターンが期待できる。少額から投資ができる案件が多い。
  • 不動産特定共同事業型クラウドファンディングの場合、不動産に対して小口(一口1万円など)から投資可能で、現物の不動産を持つのに比べて分散投資が容易である。出資者が登録免許税や印紙税などを負担する必要はなく、分配金は雑所得扱い。
  • 融資型(ソーシャルレンディング)やファンド型の場合、利益(分配金)は雑所得扱い。株式型の場合は譲渡所得及び配当所得の対象。

・注意点

  • 出資した事業がうまくいかない場合やその法人が倒産した場合、元本割れ、あるいは元本がゼロになるリスクがある
  • 一度出資すると途中で原則換金・売却などができない(流動性が低い)

購入型

・メリット

  • 自分が興味のある商品・サービスを事前に購入する形で、プロジェクト運営者を支援できる。
  • プロジェクトによっては割安で希望の商品や斬新なサービスを購入できる可能性がある。

・注意点

  • 出資の目標金額に到達しなかった場合、返金されてプロジェクトが終了する(All-or-Nothing方式の場合)
  • 出資したものの、企業の倒産等でプロジェクトが履行できず、リターンを手できない可能性がある
  • 一度出資すると途中で「原則」換金・売却などができない(通常のECサイトと同様の特定商取引法下である)

まとめ

以上、クラウドファンディングの3つの分類ごとにメリットと注意点を整理しました。

投資型であれば、株式や投資信託などの金融商品への投資と同様に、元本割れのリスクなど注意するべき点はありますが、資金を長期間ロックせず、比較的短期間でリターンを狙える商品もあります。

さらに金銭的なリターンのみでなく寄付型や購入型の要素も取り入れた商品への出資や、SGDsなど社会的に意義のあるプロジェクトに参加するなど、新たな投資スタイルに出会う楽しみもあります。クラウドファンディングという仕組みは各ファンドをご自分で吟味できますので、その事業運営者をより身近に感じられるはずです。

すぐに使う予定のない余裕資金を有効活用する手段の一つとして、「クラウドファンディング」を資産運用に取り入れてみてはいかがでしょうか。

LIFULL不動産クラウドファンディング編集部
この記事を書いた人

LIFULL不動産クラウドファンディング編集部

この記事をシェアする

関連情報 TIPS

お役立ち情報一覧へ

お得なメールマガジン MAIL MAGAZINE

お得なメールマガジン
  • 募集を開始したファンドのお知らせ
  • 募集終了間近のファンドのお知らせ
  • 各種イベントの優先的なご案内
  • 最新トレンド・不動産クラウドファンディングニュース

メルマガ会員登録はこちら